授業の様子

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令和2年度 課題研究(美術科)展示作品について

令和2年度いわき総合高等学校生徒研究発表会が開催されました(令和2年12月18日開催)

これに関連して、芸術・表現系列(美術)では、前後1週間程度の期間をいただき、学校内で作品展示をいたしました。

課題研究(美術科)って?

生徒たちは年度初めの4月~11月までの期間を利用し、各自が研究するテーマを設定し、書籍やインターネットで調べ学習・研究等を進めていくとともに、作品を制作してまいります。

作品内容は油彩画、水彩画、イラストレーション、立体作品等と、毎年、バラエティに富んでいます。

(3年次の課題研究として美術を選択した生徒は、作品制作+研究レポートを作成しております。)

 

今年度は9名の美術科選択者が研究に励んでおりました。

ぜひともその成果をご覧ください。

油彩画:キャンバス、油彩絵具、F80号(校内代表として選定されました)

人体構造や陰影における描写に着目し、研究して制作した大作です。細部まで描写がなされております。作者は表現の追求のために朝や放課後の時間を惜しんでコツコツと制作に取り掛かっていました。成果あったね!

平面構成四部作:アクリルガッシュ、ケント紙、B2パネル

地域にある洋菓子店舗に取材し、校内では色彩に関するアンケートを実施し、制作を進めていった打作品です。

リアルに見えるように工夫した洋菓子(商品)の艶のある表現は見事です。

テンペラ::板、寒冷紗、紙、油彩絵具、膠、卵ほか(ジャン・フーケ作「ムラン聖母子像」より)、60×90㎝

こちらの作品は古典技法である「テンペラ画」を模写する目的で制作された作品です。

将来は保存修復に携わりたいと考えている生徒が、授業で習った技法をさらに自分でも研究して制作を進めてきました。少し、重ね塗りの回数は不足している部分もありますが、それでも丁寧に作品を再現していこうと取り組んだ努力の作品です!(この作品を制作する前には、事前に試作も取り組みました)

油彩画:キャンバス、油彩絵具、F50号

「鏡面絶景」に興味を持ち、調査・研究を進めていく中で、白水阿弥陀堂の風景をトリミングして挑んだ油彩画作品です。本生徒は運動部に所属し、普段は授業に集中する形で制作を進めてきました。大きな作品制作は今回の課題研究が初めてとなりました。序盤はなかなか色が乗らなかったものの、終盤に向けて色の置き方や油彩画独特の描写へも徐々に慣れ、さわやかな風景画を完成させることができました。

油彩画:キャンバス、油彩絵具、F40号

いわき総合高校の教室の一角を描写した作品。

パース(空間上の遠近感)をとるために、タコ糸や定規を駆使しながら立体感に配慮して慎重に描写を行っていました。油彩画の制作は初心者に近かったこともあり、初めは絵具のチューブ色そのままの色が悪目立ちしていましたが、描き進める中で絵具の混色も行い、教室内外におけるモチーフや色彩のコントラストが際立つ作品が仕上がりました。

水彩画:透明水彩絵の具、水彩紙、35×150㎝(パネルは自作しました)

四季の移ろいを植物で表現した作品。透明水彩画の淡彩表現を上手に利用した作品です。

重ね塗りで色彩等の深みを出していく油彩画、制作手順として重ね塗りの可能な平面構成とは異なり、水彩画はより一筆一筆の置き方が勝負となる表現方法です。作者本人もかなり慎重に制作を進めていました。儚くやわらかな植物の表情がとらえられているのではないでしょうか。

油彩画:キャンバス、油彩絵具、F80号

美術室を出てすぐの風景を題材とした作品。

低明度・低彩度の色彩を巧みに扱い、不思議な世界観が表現された作品となりました。

色鉛筆画四部作:水彩色鉛筆、水彩紙、B2パネル

吹奏楽部に所属している生徒の作品です。金管パートである自分のメンバーにも協力を得て、制作した作品。

アルフォンス・ミュシャの作品に関心を持った本生徒は、ミュシャの表現の特徴や時代背景について研究を進めていきました。

今回の水彩色鉛筆作品は研究を基に、登場人物と関係ある事項を背景に配置して制作を進めていきました。色鉛筆を使用した描写表現は根気のいる制作です。最後まで粘り強く取り組んでいました。

竹細工「ざる」:乾燥竹、直径約30㎝

伝統工芸品としての竹細工の有用性について研究を進め、生徒自身で保護者と協力しながら竹を伐採するところから加工までを行いました。

途中、トラブルに見舞われ、制作し直しを余儀なくされたようでしたが、何とか作品として完成できました。

 

本年度は冒頭で休校期間があったため、計画通りに研究が進まないということもありましたが、全員がなんとか作品完成までにこぎつけることができました。

研究レポートは後期期末考査が締め切りとなっています。最後まで頑張っていこう!