第8期生卒業証書授与式式辞 平成24年3月1日

持続可能な未来の構築

 本校ホームページにアクセスいただきましてありがとうございました。
  さる、3月1日に平成23年度 第8回 福島県立いわき総合高等学校の卒業証書授与式を行いました。その時の式辞を掲載します。

 本日ここに、福島県議会議員 安部泰男様をはじめとして、ご来賓の皆様方のご臨席を賜り、平成23三年度 第8回 福島県立いわき総合高等学校の卒業証書授与式を挙行できますことは、まことに喜ばしい限りであります。
 まず、この度の東日本大震災により被害を受けた皆様に心よりお見舞い申しあげます。また、本校教育活動へのご支援ご協力に対しまして厚く御礼申し上げます
 ただいま栄えある卒業証書を手にされた生徒諸君、卒業、おめでとうございます。
 また、お子様の成長を願い、深い愛情を持って、育んでこられましたご家族の皆様におかれましては、感慨もひとしおかと、ご推察申し上げます。これまでの間、本校のために多大なご支援、ご協力を賜りましたこと、全教職員に代わりましてここにあらためて感謝申しあげます。ありがとうございました。
そして、これまで、多くの示唆をいただきました関係機関及び地域の皆様方に対し、敬意と感謝の意を表します。ありがとうございました。
 さて、本校は、昨年4月11日の余震で被災しました。本日卒業する第8期生が新年度を迎えたばかりの時でした。4月下旬から南校舎へ一時避難して授業を行い、その後、体育館間仕切り教室で7月まで生活をしました。劣悪な学習環境の中、君たちは、勉強に部活動に精一杯頑張りました。毎日の生活が不安、家族が心配、学習環境も劣悪という逆境の中、学校へ、教室へ、部活動へ、諸君を駆り立てた「何か」確実に成長しました。
 このような中、3年生が学校の中心となり、校内の活動を推進してくれました。君たちは、体育館、校舎などの使用が制限される中、毎日部活動に励み、全国大会や東北大会等に参加・出場し、各種大会で優秀な成績をあげました。被災に負けない本校生の「姿と力」を示してくれました。新しい本校の伝統を築いてくれました。本当にありがとう。
 今、世界に目を向ければ、地球環境問題、貧困・格差問題、利潤追求に偏った経済問題などさまざまな課題解決に迫られ、君たちには「持続可能な未来の構築」が求められています。
 総合学科で学んだ諸君は、「産業社会と人間」「総合的な学習の時間」「課題研究」で培った「課題設定力」と「課題解決力」を活用し、これらの課題を解決していかなければなりません。
 諸君は、明日の世界を担う人たちです。私たちが残せた良いものを受け継ぎ、私たちが残してしまった過ちや負の遺産を乗り越えることができます。課題研究や毎日の活動を通して身に着けた「主体的な学び」を実践し、常に「疑問と驚き」の視点を持ち、これからも「知ること」に貪欲になってください。
 環境と社会と経済の問題は、つながりとかかわりがあります。そして世界的なひろがりと地方的な深まりがあります。今日・明日に答えは見つからないでしょう。就職する人、進学する人、進路は様々ですが、身近に課題を求め続け、探し続けてください。そして課題解決のために行動を起こしてください。身近な活動に参加してください。多くの人に出会い、自分を変革してください。地域の人と交流し、地域社会の担い手となってください。「持続可能な未来の構築」は君たちの双肩にかかっているのだから・・・。
 結びになりますが、卒業する第8期生の健康と幸多い前途を祈念し、いわき総合高等学校のさらなる発展と飛躍をご参会の皆様にお誓いし、式辞といたします。


平成24年3月1日 福島県立いわき総合高等学校 
校長 目黒 憲