カテゴリ:第21代 目黒 憲校長
「世界を広げる」 平成24年12月26日
「世界を広げる」
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本校は東日本大震災により、北校舎(生徒教室・調理実習室・介護実習室)が使用不能となり、昨年8月末からグラウンドに設置した仮設校舎等で授業を実施しています。はじめに、今後の校舎改築等について、お知らせします。
7月の被災度区分判定を受け、北校舎は改築と決定しました。何度かの県関係部局との協議を経て、解体工事が平成25年3月から始まり、建設工事は、平成25年7月~平成26年11月上旬というスケジュールが提示されました。現在は、仮設倉庫の設置工事がグラウンド北側で行われています。同時進行で本校舎では、1月から、調理・介護実習室改修工事、具体的には、南校舎会議室を調理実習室に改修、同窓会館に介護設備を設置する工事が始まります。したがいまして4月からは、学習指導要領改訂に伴う新教育課程が本校施設内にて実施できることになります。保護者の皆様には大変ご心配をおかけしました。
さて、今年も総合学科恒例の研究発表会・教育文化講演会が12月15日(土)に開催されました。教育講演会は、アクアマリンふくしまの中野康元(なかのやすし)氏と岩田雅光(いわたまさみつ)氏による「アクアマリンふくしまにおける震災からの復興とグリーンアイプロジェクト(シーラカンスの調査研究)の取り組みについて」でした。講演後、「なぜ、アクアマリンでシーラカンス研究なんだろうか?」について、岩田氏から興味深いお話を伺いました。シーラカンスの研究は、アクアマリンの設置と大いに関係があるとのこと。いわきに設置するので、いわきならではの水族館にしたい、日本に一つしかない水族館にしたいとの想いがあった。そこで、いわき=化石(スズキフタバリュウ・石炭化石館)というイメージから、進化を取り上げる日本で唯一の水族館が誕生したとのこと。開設当初からシーラカンスの研究を続け、今では、世界的レベルの研究となっているのだそうです。さらに、館長の安部義孝さんは、以前務めていた上野動物園で展示に携わった時、シーラカンスについて知りたいと思っていたこと。岩田さんも、以前務めていた読売ランドで、日本で始めてシーラカンスの標本を展示した経験があることも関係しているようです。
続いて、研究発表会、テーマ『世界を広げる』では、4人の発表がありました。3年6組の亀岡菜摘さんのテーマは、『日本の食料自給率』についてで、「TVでフードアクション日本について知り、もっと知りたい」という気持ち。3年1組の高橋宏和さんのテーマは、『Good-byeストレス~呼吸法を用いたリラックス法~』についてで、「身の回りはストレスであふれているなんとかしたい、心のコントロールを知りたい」という気持ち。3年5組の小野夏子さんのテーマは、『陸上競技における試合で勝つためのトレーニング』についてで、「中高6年間取り組んでいる部活動の成果が出ない、なんとかしたい」という気持ち。3年4組の廣瀬玲菜さんのテーマは、『個展を開くためのイラスト制作』についてで、「イラスト制作していて、色彩について知りたい、追求したい」という気持ち。各人の「知りたい」という想いや課題意識が1年間の研究を支え、見事なプレゼンテーションとなりました。奇しくも、シーラカンスの調査研究に携わっている、安部館長と岩田さんが、シーラカンスのことを「知りたい。知りたいとずーっと思っていた。」ことを知り、本校の課題研究に取り組んだ生徒が世界的レベルの研究に進んでいくことを期待する一日でした。
平成24年12月26日 福島県立いわき総合高等学校
校長 目黒 憲
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