2012年7月の記事一覧

仮設校舎での1年 平成24年7月27日

仮設校舎での1年

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 3.11東日本大震災の影響で、昨年は8月に人事異動があり、また、8月24日に校庭に仮設校舎が設置され、まもなく1年となります。被災あるいは原発事故で、いまだに避難を余儀なくされている方々には、心よりお見舞い申しあげます。
 7月20日の終業集会では、「1年前のことを覚えていますか」と生徒に問いかけました。体育館を間仕切りにした教室で生活していたこと、学校行事や部活動が計画通りに実施できなかったことなどを思い出してもらいました。現在は、仮設校舎とはいえエアコンが設置された教室で快適に授業に取り組んでいます。
 さて、新年度になり4ヶ月が経ちました。この間の生徒の活躍や課題について振り返ってみます。
 各種大会では、高校体育大会・総合体育大会・野球選手権大会そして各コンクールの地区予選会など、生徒たちは日頃の練習の成果を発揮してくれました。特に、印象に残ったことに、大会前にコートの復旧工事が入ったテニス部、大会直前にインフルエンザが流行したバスケットボール部、5月20日に「創造的復興教育フォーラム」(文科省委託事業)の一環として文部科学省の講堂で、震災と原発事故をテーマにした創作劇「ファイナルファンタジーフォー3.11」を公演した演劇部のことがあげられます。毎日の練習とは条件などが変わったことから、それぞれに練習計画や練習方法を工夫し、できることに精一杯取り組み、よく頑張りました。
 年次ごとに振り返ってみます。
 1年次では、遠距離通学生も多い中、登下校の時間にあわせた生活習慣が確立しました。また、新しいクラスメイトとの関係づくりも、概ね確立したようです。5月~7月のコミュニケーションワークショップにより、ゲームの課題をクラス全員で共有し、相互に理解を深めつつ、わかり合うことができたようです。講師の先生からも各クラスとも成長があったとの評価をいただきました。一大イベントは、科目選択です。「自己理解」と「進路」について、とことん追求しましたした。上級生の授業見学を行い、シラバスを研究し、科目選択をしました。相当悩んだことだと思います。悩んで悩んで自ら決定したその過程は、これからの学習や生活に大きく影響してきます。「自分で決めたことは自分で責任をとる。」という本校生の基本姿勢が身に付きました。今後は、進路希望をより明確にするために、「上級学校理解」と「職業理解」に取り組むこととになります。
 2年次は、1年前、入学直後から年次6クラスが揃わない状態で7月まで過ごしました。そのような経験をしながら現在まで長欠者を一人もださずにこの7月を迎えました。これもクラスの団結・年次の団結があったからだと思います。特に、昨年内町小学校で生活していた3組が球技大会で全校総合3位になったことは、大変喜ばしいことです。また、2年次の大きな成果は、進路目標を明確にした生徒が多く出てきたこと、さらに校内での学習に取り組む積極的な姿勢が見られてきたことです。受験を制するコツは、クラスや年次で学習に取り組むことだといわれています。さらに多くの生徒が団体戦に加わることを期待しています。部活動では、3年次生の引退後、2年次生がリーダーとなって活動しています。1年次生に対し先輩として、技術指導はもとより総合学科での学びや様々な悩みの相談にのっています。本校の歴史は、3年次生から2年次生そして1年次生へ確実に繋がっています。
 3年次は、まさに求人活動のまっただ中です。求人票が公開され、希望職種・会社の検討と会社見学、保護者をまじえ三者面談を行い、いよいよ就職活動がスタートしました。顔つきが変わり、生活が変わり、それぞれの目標に向かい就職活動が充実してきました。また、過日、ある専門学校のAO入試の手続きの書類が回ってきました。大学等の試験もスタートしたことを実感しました。進学の団体戦が始まり、互いに刺激し合い学んでいます。「3年間の学びの成果」と「やりたい仕事や勉強」を確認し、具体的に準備に入ったようです。保護者もみなさまからの応援もよろしくお願いします。
  それぞれの年次で、夏季休業前までの課題を概ね克服していることが確認でき、安心しました。夏季休業後に、生徒全員が元気に登校することを願っています。

平成24年7月27日 福島県立いわき総合高等学校
校長  目黒 憲