カテゴリ:第21代 目黒 憲校長
被災に負けない校内文化発表会や各種活動 平成23年11月1日
本校ホームページにアクセスいただきましてありがとうございます。はじめに、過日開催されました校内文化発表会の報告をいたします。
本校は3月の本震に加え、4月11日・12日の余震による校舎の被災が著しく、通常の教育活動の実施が課題となる中、今年度の前期のスクールイベントは、変更を余儀なくされました。6月30日・7月1日の球技大会は、延期。8月1日の恒例のナイトハイクは、8月2日の募金ボランティアに変更。10月7日(金)の遠足は、校内球技大会(1日開催)に変更となりました。特に今年は、3年に一度の文化祭の開催の年度でしたが、10月23日(日)の公開文化祭は中止となり、21日(金)の校内文化発表会のみとなりました。
本校の校内文化発表会は、生徒が自ら課題・テーマを設定し、計画を立てて実行する力の育成を図ることを目的としている学校行事です。まさに総合学科の理念の具現化であります。生徒会役員は、校内文化発表会の開催に向け、企画の練り直しを行い準備に取り組みました。発表予定の文化部・団体は、練習場所や練習時間を制限され、節目の県高等学校文化連盟主催の各種大会の開催も危ぶまれた中、練習・稽古に励んできました。そして、内郷高校時代からの伝統を引き継ぐ部活動、いわき総合高校の特色を色濃くする部活動や系列代表(総合学校の特色の一つ)など、そして一般生徒の有志の計10団体のステージ発表と7つの部・団体の展示発表となりました。発表時の様子は、HPに掲載中ですのでご覧ください。
そのような中で特筆できることは、各部・団体は、東日本大震災に向き合い学校の内外を問わず、自分たちができることをやろうと決意し、実践したことです。
演劇部は、7月9日・10日に開催したのいわき地区高等学校演技部発表会で「ファイナルファンタジー2011」という演目を掲げ、原発事故で中止寸前になった文化祭を復活させるための冒険ファンタジーを上演し、震災・原発災害に対する怒りや傷みへの祈り、どうにもならない今をどうにもならないままぶつけることで作品を創作しました。これが大きな反響を呼び、10月8日・9日に神戸公演、12月21日~23日に東京公演が実現しました。
また、家庭クラブでは、「Eternal love ~復旧から復興にむかって~」をテーマに、いわき市の現状を把握し、避難所での健康体操の普及とフラダンス(フラガール甲子園優秀賞受賞)による激励を行い、仮設住宅が設置されると防災座布団を制作し届け、ストレス解消ジンジャーティを配付するなど、普及活動を前後期に分け、それぞれの時期に必要とされる支援活動に当たりました。この活動が話題となり、12月10日・11日に徳島県で開催される「絆プロジェクト」に参加し、フラダンスを披露することになりました。
合唱部は、高校文化部による避難所慰問活動の一環として、「避難所に元気を届ける」ことをねらいに、7月16日にいわき市平体育館を訪れ、「故郷」「春の小川」など七曲を美しい歌声を届けることができました。
吹奏楽部も8月23日に特別養護老人ホームひまわり荘を訪問し、誕生日をお祝いし、「ふるさと」「真っ赤な太陽」「上を向いて歩こう」「東京ブギブギ」など6曲を披露しました。馴染みの曲が多かったためか、みなさんが口ずさんだり手拍子をとったり、沢山の笑顔がこぼれていた楽しい時間を過ごすことができました。
このように、避難所や福祉施設等を訪問し、多くの方々を激励することができました。文化的活動が自らの感性を高め創造的な表現力を伸ばすだけでなく、被災者や地域の方々、そして被災の心配をいただいている全国の人々に感動や勇気を与えることができたことを確信しました。東日本大震災よる様々な機会を通して、本校の生徒が、さらに大きく成長していくことを期待し、改めてまして、御支援と御協力をいただいております関係者の皆様に心から感謝申しあげます。
平成23年11月1日 いわき総合高等学校長
校長 目黒 憲
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