校長室より

校長ブログ「自ら突き破れ!」

 夏休みも中盤にさしかかってきました。酷暑が続いていますが、学校では、学習や部活動などに取り組む生徒たちの元気な姿が見られます。特に3年次生は、進路希望実現に向けて努力を積み重ねる日々が続いています。

 私が本校に着任して、あっという間に4か月半が過ぎました。この間、私が生徒たちに繰り返し紹介している言葉があります。それは、ピョンチャンオリンピックスピードスケート女子500メートルで金メダルを獲得した小平奈緒選手の、「与えられるものは有限、求めるものは無限」という言葉です。彼女がインタビューで語ったその言葉は、私の胸に深く深く響きました。与えられるものには限りがある。自ら考え、自分で自分に必要なものを追い求めよ。そこにこそ無限の可能性が広がる。自分の人生は自ら切り拓くのだという覚悟が込められた言葉だと思います。私はこの言葉を、入学式、始業式で紹介し、本校生の皆さんにも、そういった心構えで学校生活に臨んでほしいと訴えてきました。

 本校はいわき地区唯一の総合学科高校であり、生徒の多様な個性が輝く学校としてこれまで様々な活動を行ってきました。本校にはまさしく「無限」の可能性が広がっています。 

 今日も学校の上空には真夏の青空が広がっていますが、この空は世界中につながっています。本校生には、自ら自分の殻を突き破って、自分の足で、より広い世界へと踏み出していってほしいと思います。

 PTA、同窓会及び体育文化後援会の皆様をはじめ、地域の様々な方々のご指導ご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

                             福島県立いわき総合高等学校長 渡邉 学

 

(グラウンドから見た校舎と青空)

新年の始まりに際して

 新しい年の始まりに際して、私からみなさんに3つのことわざを使い話をします。

 

 最初に「1年の計は元旦にあり」です。聞き慣れた言葉ですね。1年の始まりにあたって目標を立てなさいと言う意味です。みなさんも様々な目標を立てたことと思います。その目標に向かって努力して高校生活を豊かなものにしてほしいと願っています。

 目標を立てる時期として元旦はわかりやすいのでこの表現になっていると思います。でも、目標はいつ立てても良いですよね。また、1年といった長期スパンでなく、1月でも1週間でも1日でも良いです。大事なのは「目標を立てること」です。目標を定めることで、自分がすべきことがわかってくる。まだ目標を立てていない人は、遅いということはありません。今から目標を立てましょう。自分に目標を意識化させるために、目標を文字化し声に出してみましょう。思いが定まるはずです。

 

 2つめに「終わりよければすべて良し」です。同じような言葉に「立つ鳥跡を濁さず」や「有終の美」といったものがあります。最後をきれいにまとめるということは、これまでの取組を仕上げる上でとても大切なことです。自分にとっても他者にとっても与える印象は随分と違うのではないでしょうか。

 3年次生は、高校生活で残された時間はあとわずかです。この時間をどう使うかが君たちの高校時代をまとめあげる上でとても重要になってきます。最後の試験、自宅学習時間の過ごし方、卒業式での立ち振る舞い等々。よく考えて「総合生」にふさわしい時間を過ごしてください。

 1年次生・2年次生も同様です。すでに君たちの新しい年度のスタートははじまっています。自分の将来を見据えた行動をとり、この3ヵ月を豊かで充実したものにしてください。

 

 3つめは「君子和して同ぜず。小人同して和せず」です。優れた人は周りの人たちと協調するが、主体性を失わずむやみに同調したりしない。つまらない人物はたやすく同調するが、心から親しくなることはないという意味です。

 家庭、学校、会社、地域といった集団の中で、みなさんは多くの人たちと触れ合って生活をしています。そして、多くの人が、他者との関係に悩んでいます。みなさんもそうでしょう。そのような時、この言葉を思い出してほしい。「相手と仲良くしつつ自分を見失わない」姿勢を保つことが、その悩みを軽減させると思うからです。ただ、「仲良くする」というのは、相手に媚びることではありません。苦手な人もいるでしょう。そのような人とは、一定の距離を保ちつつ必要以上に対立関係をつくり出さないことが大事だと思います。

 高校での生活を通して、相手を見る眼を育て、自分の価値観を大切に育てていってほしいと願っています。

 

 さあ、一人一人が自分を輝かせる新しい年となるよう、本校で過ごす時間を大切にしてください。

熱かったナイトハイク

 7月26日(木)27日(金)の両日、本校恒例の生徒会主催行事「ナイトハイク」が、保護者26名余の協力を得て、生徒97名、教職員14名が参加して行われました。
 事前の校内説明会には、300名を超える生徒たちが集まり、本校の伝統行事である「ひたすら歩く」への関心の高さをうかがい知ることができました。「総合生」のチャレンジ精神は旺盛です。道中の安全確保等の事情により、最終的には100名の生徒が参加することとなりました。
 当日は、猛暑続きの今年にしてはちょっと暑さが和らいだような天気でした。「ミニストップいわき勿来駅前店」の駐車場で出発式を行い、19:30に元気に出発しました。その後、「ファミリーマート佐糠店」「ローソン小浜店」「ローソン吹松店」「セブンイレブン花畑店」「ローソン鹿島久保店」「旧ミニストップ関船店」「ほるる駐車場」で休憩を挟みながら、05:00に学校に無事到着しました。熱い夜を通しての35キロのウォークでしたので、生徒は一様に疲れた表情を見せていましたが、達成感から充実した表情が垣間見え、意義深い時間を過ごしたようでした。時間が経てば経つほど、記憶に深く刻み込まれる生徒会行事になることでしょう。
 保護者の方々には、巡回警備や豚汁づくりなどで御協力いただきました。豚汁、ソーメン、おにぎりに込められた愛情という隠し味で、生徒たちの体の疲れは間違いなく軽減されました。本当にありがとうございます。
 もちろん、校長と両教頭も完歩しました。私たちにとっても、貴重な「青春の一頁」となりました。

地域の皆様に感謝

 本当に暑い日が続きます。熱中症や雷雨・突風等に気をつけて、夏休み中の教育活動を行うべく肝に銘じているところです。
 さて、本校では、7月18日(木)・19日(金)の2日間にわたり、校内球技大会が行われました。水と塩の補給をしっかり取らせながらの大会となりました。お陰様で、大きな事故等もなく無事終了することができました。生徒たちや先生たちに感謝感謝です。
 大会はクラス対抗ということで、クラスお揃いのTシャツで勝利と団結を求めて総合生らしい爽やかなプレーや応援が随所に見られました。このような学校行事は、住宅街の中にある学校として地域の方々の御理解と御協力がなければ成立しません。内郷内町駒谷の皆様に感謝申し上げます。
 今回から、種目別、年次別、総合の優勝チームにはトロフィーが贈られます。これは内郷宮町のひめゆり総業株式会社様から御寄贈いただいたものです。7月20日(金)の表彰式で生徒たちに披露しました。きらめくトロフィーの外面に生徒たちの笑顔がうつりこんでいました。温かいお心遣いに改めて感謝申し上げます。

 夏休み中の主な行事等をお知らせします。7月26日(木)~27日(金)生徒会チャレンジ企画「ナイトハイク」(勿来駅出発、いわき総合高校着)、7月26日(木)吹奏楽部 県大会出場(いわきアリオス)、8月11日(土)~12日(日)芸術・表現系列演劇 卒業公演「春母夏母秋母冬母」(いわきアリオス)、8月19日(日)フラガールズ甲子園。この他にも各地での運動部の大会等に出場します。地域の皆様、応援等をよろしくお願いします。

思いやりリレー

 暑い日が続いています。

 生徒たちの水泳の授業での楽しそうな声が校長室まで聞こえてきます。また、いわきグリーンスタジアムをはじめとした県内の4球場では、グランドで球児たちが白球を追い、保護者や生徒たちがスタンドで声をからして声援をおくっています。明日14日(土)から、後期の闘いが始まります。

 このような中、朝日新聞によれば「大雨特別警報が最初に出された6日から13日で1週間を迎えるが、被災地ではなお7千人が避難生活を強いられ、行方不明者の捜索が続いている」とのことで、西日本では、豪雨による土砂崩れや堤防の決壊による河川氾濫が起き大変な被害が生じています。 
 被災された方々そして関係者の皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。
 雨はやみましたが、ため池の決壊や土砂にせき止められた河川の氾濫などが懸念されており、被災地の方々は未だ心安まるいとまもないことと思います。
 東日本大震災で被災した私たちにとっては、その労苦を他人事と捉えることはできません。また、震災の折に西日本の方々からいただいた、篤いご支援を忘れてはいません。
 毎年、長崎県立佐世保南高等学校の皆さんが修学旅行の一環として、本校を訪れてくれています。また、東日本大震災の被災地を応援ということで、本校のフラダンスチーム「アロヒ・ミノアカ」は、岡山県早島町の「早島絆の会」や熊本県上天草市の向陽寺の住職 渡辺紀生様にお招きいただき、励ましていただくとともに交流を深めさせていただきました。昨年は、京都で平和と安寧の舞を披露させていただきました。
 「今、私たちにできることは何だろう」 
 「高校生ができることは何だろう」
 これまでのご支援に感謝しつつ、総合生とともに考えていきたいと思います。一つの解としては、高校生が今をしっかりと生き抜くこと、その姿をお見せすることかなとも思っています。
 今回は、言葉だけのお見舞いとなってしまいますが、被災地の一日も早い復興と笑顔ある生活が戻ることを祈らせていただきます。