校長室より

令和6年度 入学式にあたって

 4月8日(月)、ご来賓の方々や多くの保護者の皆様のご臨席のもと、令和6年度入学式を行いました。
 以下に式辞を掲載いたします。

式   辞 

 令和6年は能登半島地震による衝撃的な年明けとなりました。地震発生から3か月が過ぎましたが、生活の復旧への道のりは険しいものとなっております。

 また、東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故からは13年が経過しましたが、それ以降も、このいわき市におきましても、数々の自然災害に見舞われてまいりました。とりわけ昨年の台風13号に伴う水害は、この内郷地区にも大きな傷跡を残しました。

 それぞれ、災害によって亡くなられた人々に哀悼の意を捧げるとともに、被害を受けられた方々、以前の生活の状況を取り戻せない方々に対しまして、謹んでお見舞い申し上げます。

 一方、ウクライナやパレスチナにおける戦争など、人間による惨劇が繰り返されております。地球規模のグローバルな社会で起きるさまざまな事柄は、ローカルな地域社会にも、その影響を及ぼしております。

 そのような中ではございますが、桜の開花の便りも届くとともに、年度のスタートの時期を迎えました。世界中を席巻した新型コロナウイルス禍は終息を迎え、5類移行後、初めての入学式となります。本日は、PTA会長 鈴木 玲子 様、同窓会副会長 佐藤 治郎 様、体育文化後援会副会長並びに同窓会副会長 横田 茂夫 様をはじめ、ご来賓の方々、保護者の皆様のご臨席を賜り、令和六年度 福島県立いわき総合高等学校 入学式を挙行できますことは、誠に喜びに堪えません。 

 ただ今、入学を許可いたしました200名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。教職員一同、心より歓迎します。そして、保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。改めて心からお祝いを申し上げます。 

 さて、本校は、100年を超える歴史と、前身である内郷高等学校の伝統を引き継ぎ、平成14年の総合学科設置と平成16年にいわき総合高等学校と校名を変更して以来、いわき地区唯一の総合学科の高校として着実な歩みを進め、生徒の多様な個性が光り輝く学校として、県内外において高い評価を得ております。

 そのような教育を展開するうえで、本校には、校是として大切にしている3つの言葉があります。それは、「個性」、「自律」、「創造」です。これから、一つずつ紹介いたします。

 1つ目は「個性」です。本校は、生徒一人一人の個性を互いに尊重する学校です。皆さんも、自分の個性を大切にすると同時に、あなたの隣の仲間や価値観の異なる方々の個性も尊重する生徒であらねばなりません。本校で新しい仲間や先輩、教職員、地域社会の方々など、多くの自分とは異なる他者と出会い、多様性を認め合いながら、互いに切磋琢磨することで、自らの個性を見出してほしいと思います。

 2つ目は「自律」です。自律とは、他からの助けを受けずに、自分の行動を正しく行うことであり、自らを律するという意味です。成人年齢が18歳に引き下げられたことにより、皆さんもあと約2年で法律上の大人になります。皆さんには、この3年の間に、これからの社会の形成者として、自らを律しながら社会参画できる人間になってほしいと思います。

 3つ目は「創造」です。創造とは、新しいものを生み出すという意味です。現在の地域社会にしても国際的な状況にしても、私たちは、様々な課題に直面しております。本校においても、皆さん一人一人が、自ら課題を設定し、解決に向けた「探究的な学び」を進めていくことになります。これまでにない新しいものを生み出すことは簡単ではありません。そこで必要なのはチャレンジ精神です。チャレンジとは挑戦なのですから、失敗して当たり前です。失敗を恐れずに新たなことに挑戦し、今までの考え方からの脱却を図り、新しい自分を、そして新しい伝統を創り上げていってほしいと思います。

 これら3つの言葉を形として表現した本校の校章は、いわき総合高校、第一期生が考案しました。いわき総合の頭文字である、ひらがなの「い」に、太陽の光が太平洋の波に反射して、輝き躍動するイメージを表しています。皆さんが、「個性」、「自律」、「創造」を体現し、校章のとおり、一人一人がキラキラと輝き躍動していくことを強く願っています。

 結びにあたり、PTA、体育文化後援会、同窓会、そして地域の皆様の、本校へのご支援に深く感謝申し上げるとともに、今後とも変わらぬご支援とご協力をいただけますよう、改めてお願い申し上げ、式辞といたします。 

 令和6年4月8日 福島県立いわき総合高等学校長 太田 隆明

着任のごあいさつ

 令和6年春の人事異動で、本校校長として着任しました太田 隆明(おおた たかあき)です。
 本校には、教頭として平成30年度から令和元年度まで勤務しておりましたので、4年ぶりとなります。

 4月8日(月)、桜の開花の便りが届く暖かな春の陽気の中で、始業式と入学式を行いました。生徒の皆さんの、希望にあふれたさわやかな姿を目にして、私も高揚した気持ちになりました。

 9日(火)の対面式では新入生と在校生の初顔合わせを行い、つづく新入生歓迎会では、生徒会、家庭クラブ、放送委員会の活動紹介に始まり、各部活動が映像やパフォーマンスにより、活動の様子が紹介されました。それぞれ、とても趣向を凝らした演出で、新入生の皆さんは、先輩方の輝く姿に心動かされている様子でした。いわき総合高校ってすごいな、と感じた方も多かったようです。今年度も、新入生はもちろん、2・3年生も、本校の様々な活動に積極的に参加して、高校生活をより充実したものにしてほしいと思います。

 このように、本校は、授業や部活動のみならず、生徒の表現・発表の機会を充実させている、大変に特色のある高校です。このように多様な教育活動を行うことができますのも、PTAをはじめとして、体育文化後援会、同窓会、そして地域の皆様からの様々なご支援のおかげでございます。

 これから、各教科・科目での学び、「産業社会と人間」や総合的な探究の時間における学び、そして各部活動なども本格的になると思います。私たちは、校是である「個性・自律・創造」の理念のもと、教職員一丸となって、これからの社会の形成者を育成すべく、生徒の資質・能力を育んでまいります。どうぞよろしくお願いします。

                                いわき総合高等学校 校長 太田隆明

 

対面式と部活動等の紹介

 本日、令和5年4月11日、新入生と2,3年次生の対面式を行いました。

 その後、引き続き、新入生が本校の活動に本格的に加わることとなる、部活動等の紹介を行いました。

 まず、生徒会からの活動紹介に始まり、続いて、家庭クラブ、家庭クラブ・フラチーム、放送委員会からの活動紹介がありました。フラチームからは3曲の実演がありました。

 その後は、各部活動からの活動紹介で、実演あり、動画ありの、いわき総合らしい行事になりました。

 一連の行事に先立って、校長からの挨拶があり、次のような主旨の話をしました。

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 いわき総合高校での3年間を楽しく、かつ、実のあるものにしてほしい。2点アドバイスします。

 その1 

 皆さんには、高校生活で、「これに打ち込んだ、やりきった」という経験を、自分自身にさせてほしい。

 部活動や委員会での活動もあるし、商業などの資格取得を目指してもいい。また、本校では探究活動が盛んなので、それに打ち込んでみるものいい。

 皆さんが3年後に決める進路先、大学や企業で、「これに打ち込んだ、やりきった」と言えることは、大きく評価されるし、何より、自分の実力がUPする。

 その2

 本校は、廊下で出会ったときのあいさつは、とても気持ちがよく、いじめなどのトラブルが少ない学校。

 そんな学校を作っているのは、だれなのか、・・・2,3年次の先輩なんだ。そして、その中に、皆さんは1年次生として加わることになる。

 だから、みんなで、この学校を楽しい学校に!、いじめの無い学校に!、自分の進路実現のために勉強をたくさんする学校に!、してほしい。誰かがしてくれるんじゃないんだ!。自分でこの学校を守り、作っていくんだ!。 

令和5年度 入学式にあたって

 令和5年4月10日(月曜日)、生徒を迎えての新たな年度が始まりました。

 今年の春は、全体的に気温が高かったらしく、桜の花は殆ど散ってしまいました。一方、近くの山々に目を向けると、新緑の緑の中に、山桜の白い花が咲き、春らしい柔らかな景色をつくっています。

 さて、当日は、午前中に始業式と、4月から本校に赴任された10名の教職員の着任式などを行いました。

 そして、午後は入学式です。以下に、入学式の式辞を掲載いたします。

式辞

 いわきの大地は、花々のあざやかな光にあふれ、香り豊かな優しい大気に満たされ、あらゆる生命が、今まさに躍動する時期を迎える、この良き日、福島県議会議員 真山 祐一 様、PTA会長 前田賢一 様、同窓会会長 斉藤祐二 様をはじめ、ご来賓の方々、保護者の皆様のご臨席を賜り、令和5年度 福島県立いわき総合高等学校 入学式を挙行できますことは、誠に喜びに堪えません。

 ただ今、入学を許可いたしました200名の生徒の皆さん、入学おめでとうございます。教職員一同、心より歓迎します。

 そして、保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。お子様が、今、この場にいるのも、保護者の皆様をはじめ、多くの方々の励ましや支えがあったからこそと思います。改めて心からお祝いを申し上げます。

 さて、本校は、100年を超える歴史と、前身である内郷高等学校の伝統を引き継ぎ、平成14年の総合学科設置と平成16年にいわき総合高等学校と校名を変更して以来、いわき地区唯一の総合学科の高校として着実な歩みを進め、生徒の多様な個性が光り輝く学校として、県内外において高い評価を得ております。

 ご存知のように、本校は、6つの系列を持っており、人文国際、自然科学、情報、芸術表現、スポーツ健康、生活福祉の6分野に整理しておりますが、例えば芸術表現系列は、音楽、美術、演劇といった異なる内容の授業を設定しており、そのように考えますと、実に10の異なる分野について学ぶことができる特別な学校です。

 皆さんは、自分の興味関心や人生設計に基づいて、多様な授業の中から必要な授業を選択し、学んでいきます。

 学校では、大学や企業などの見学、また、各分野の専門家をお招きした説明会の開催など、皆さんのキャリア発達に資する、豊富な機会を提供いたしますが、皆さんの積極的な姿勢が最も大切です。自分の進路ですから、自分で考え、決断し、選択して、行動してください。周囲から与えられるのではなく、自分でつかみ取ってほしいと思います。

 本校には、大切にしている言葉として、校是である、「個性、自律、創造」がありますので、紹介いたします。

 1つ目は「個性」です。本校は、生徒一人一人の個性を互いに尊重する学校です。皆さんも、自分の個性を大切にすると同時に、あなたの隣の仲間の個性も尊重する生徒であらねばなりません。本校で、多くの自分とは異なる他者と出会い、互いに切磋琢磨することで、自らの個性を見出してほしいと思います。

 2つ目は「自律」です。自律とは、他からの助けを受けずに、自分の行動を正しく行うことであり、自らを律するという意味です。高校は、社会へ出るための準備の場であり、大学や専門学校、そして地域の企業とつながっています。そして、成人年齢が18歳に引き下げられたことにより、皆さんもあと約2年で大人なのです。皆さんには、この3年の間に、自分の力で社会へ羽ばたいていけるよう、自らを律しながら行動できる人間になってほしいと思います。

 3つ目は「創造」です。創造とは、新しいものを生み出すという意味です。これまでにない新しいものを生み出すことは簡単ではありません。そこで必要なのはチャレンジ精神です。チャレンジとは挑戦なのですから、失敗して当たり前。失敗を恐れずに自分の殻を破り、古い自分を脱ぎ捨て、新しい自分を、そして新しい伝統を創り上げていってほしいと思います。

 これら3つの言葉を形として表現した校章は、いわき総合第一期生の生徒が考案したもので、いわき総合の頭文字である、ひらがなの「い」に、太陽の光が太平洋の波に反射して、輝き躍動するイメージを表したものです。皆さんが、個性・自律・創造を体現し、校章のとおり、一人一人がキラキラと輝き躍動していくことを強く願っています。

 保護者の皆さまにお願いがございます。いわき総合高校は、生徒の表現活動を大切にしている学校であり、学んだり、体験したり、又は、研究したりしたことを発表する機会が多くございます。さらには、音楽、美術、演劇に関する発表や、運動部の対外試合など、楽しんでいただけるものが多数ございます。これまでコロナ禍で設定していた入場制限も、少しずつ緩和していくことになると考えております。どうぞ、足を運んでいただき、お子様の成長を見守っていただければ幸いでございます。

 結びにあたり、PTA、体育文化後援会、同窓会、そして地域の皆様の、本校へのご支援に深く感謝申し上げるとともに、今後とも変わらぬご支援ご協力をいただけますよう、改めてお願い申し上げ、式辞といたします。 

 令和5年4月10日 福島県立いわき総合高等学校長 小林 寿宣

卒業式に当たって

 だいぶ遅くなってしまいましたが、卒業式の式辞を載せます。

 令和5年3月1日(水曜日)の当日は、天気も良く、さらに気温も高くなり、気持ちの良い卒業式になりました。

 以下、式辞になります。

 

式辞

 いわきの地を照らす太陽の光は日に日に増し、私たちを包む風もやわらかく、季節の移り変わりが感じられる今日。本日ここに、令和四年度 福島県立いわき総合高等学校 卒業証書授与式 を挙行できますこと、校長として、おおきな喜びと誇らしい気持ちで満たされております。

 本卒業式に、ご臨席賜りました 福島県議会議員 安部泰男様をはじめ、日頃より、本校の教育活動にお力添えをいただいているご来賓の皆様方に、深く感謝申し上げます。

 ただ今、卒業証書を授与されました177名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、保護者の皆様におかれましては、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。この世に生を受けたその日から本日まで、一言では言い表せない様々なご苦労の中、今日この日を迎えられましたこと、お喜びもひとしおのことと思います。教職員一同、心よりお祝いを申し上げます。 

 さて、卒業生の皆さんの3年間の高校生活を振り返ると、実に他に例を見ない特別な世代であったことが分かります。高校に入学する直前の3月には、コロナウィルスの世界的な大流行、パンデミックが宣言され、皆さんも入学当初の4月から休校を経験するという、前例の無い形で学校生活が始まりました。2年次には、幾多の困難はありましたが、それを乗り越え本校の文化祭である常盤樹(ときわぎ)祭が行えたこと、また、九州は長崎への修学旅行を成功させたことは、皆さんにとっても大きな自信に繋がったのではないでしょうか。そして、3年次の今年度には、夏の球技大会、秋の校内文化発表会などの行事を通常に近い形で行うことができました。

 コロナ禍であっても、このような活動が行えたのは、本校が表現活動や探究活動など、「自分自身で物事を考え、それを様々な形で表現する。」という体験的な活動を重視しており、皆さんが困難を乗り越えようとする意欲と行動力を備えていたからに他なりません。 

 私は、皆さんに、「よい表現者であること」「挑戦者であること」「自己決断ができること」の重要性を、言葉を変えて繰り返し言い続けてきました。それは、「今を生きる」ということが、この3つの言葉に集約されると考えるからです。

 そして将来、独り立ちし、自立した皆さんが、その時、その時の「今を生きる」とき、「自分はよい表現者になっているか、自分は挑戦できているか、自己決断できているか。」を問いかけ、行動することができれば、どのような困難な時代にあっても、自分の人生を切り開き、新しい時代を作っていけるものと信じます。

  また、今、世界は、人類が迎える第5番目の新しい社会へと移り変わる変革期にあると言われています。皆さんは、産業革命に匹敵する大きく社会が変わる時代を生きているのです。インターネットが生活空間のあらゆる物と人とを繋げるとともに、AI技術が身近な生活にまで活用されていきます。今後、さらに急速に社会は変化し、予測困難な未来が目前にまで来ています。そのような世界にあって、皆さんは1000年に1度とも言われる東日本大震災を経験し、さらに、世界規模のコロナウィルスとの戦いという特別な経験を経ており、人と人の絆の大切さやお互いを思いやる心の大切さを、身にしみて感じていることと思います。

 だからこそ、未来に対して「人との深い繋がりの大切さを心に刻んだ」皆さんならではの振る舞いができるはずであり、乗り越えられると信じます。 

 「未来」は、より素敵なものであってほしい。思いは、皆同じです。卒業生の皆さんに、その未来を託します。

 そう、皆さんの人生は始まったばかりです。与えられる未来ではなく、自分の手で扉を開き前へ進んでください。

 さあ、出発の時です。皆さんを照らす暖かな日差しは進むべき道を照らし、また、爽やかな風が背中を押してくれるでしょう。

  最後になりますが、卒業生の皆さんの幸多い人生を心から祈念するとともに、御来賓・保護者の皆さまには、本校の校歌にも歌われる常盤樹(ときわぎ)の大樹のように、旅立つ者たちを励まし、時には木漏れ日をつくって見守っていただくなど、末永い御支援を賜りますようお願い申し上げまして式辞といたします。

 令和5年3月1日 福島県立いわき総合高等学校長 小林 寿宣

第2回県立高等学校改革懇談会が開催されました

 令和7年4月に予定されている好間高校との統合について、第2回目となる改革懇談会が、令和4年11月28日(月曜日)、好間高校を会場に開催されました。
 改革懇談会には、いわき総合と好間のPTA、同窓会の代表や内郷地域、好間地域の地元の有識者など、12名が出席し、私もいわき総合高校を代表して参加しました。

 改革懇談会では、統合を前提とした上での意見交換がなされ、いわき総合と好間の統合をはじめ、統合校における「校舎方式」の採用や教育内容の方向性について理解が得られたと考えています。

 

 1 会議で話し合われた内容の概要は次のとおりです。

①「校舎方式」の採用

 第1回改革懇談会で出された、「生徒の負担を考慮すると、好間高校の生徒が卒業まで好間高校の校舎で学ぶことができる「校舎方式」を採用することが望ましい。」との意見に基づき、県教育委員会で検討した結果、いわき総合と好間の統合校については「校舎方式」を採用することが提案され、委員から理解が得られました。

 ※次のスライドは、改革懇談会において県教育委員会が示したものです。

 

②教育内容の方向性

 教育内容の方向性として、2,3年次から大きく4つの分野に分類した科目群を設定することが提案され、委員から理解が得られました。

 ※次のスライドは、改革懇談会において県教育委員会が示したものです。

 

③学習指導や進路指導の在り方

 指導の在り方について、いわき総合高校から引き継ぐ「適性を見極めた進路指導」と好間から引き継く、「きめ細かな学習指導」を実践していくことが提案され、委員から理解が得られました。

 ※次のスライドは、改革懇談会において県教育委員会が示したものです。

 

2 今後の見通し

○ 今後は、両校の校内での検討に加え、両校の教員が参加する教育内容検討委員会を重ね、教育内容の具体化を図っていきます。また、その内容については、同窓会やPTA等に適宜、情報提供を行ってまいります。

○ 関係中学校の中学生及び保護者に対しては、検討の進捗状況や統合校の教育内容について、適宜、情報提供を行っていく予定です。また、県教育委員会主催で、令和5年秋頃に、統合時の高校1年生に該当する中学2年生とその保護者、学校関係者に対する説明会を開催する予定となっています。

これまでの統合に関する取組

これまでの取組について、主なものをまとめてみました。

 ①第1回県立高等学校改革懇談会 7月21日(木)、会場:いわき総合高校

 ②教育内容検討委員会 9月5日(月)、会場:いわき総合高校

   はじめて両校の担当者が集まり、話合いを行いました。

 ③地元企業団体との情報交換 10月12日(水)、いわき総合高校

   好間町商工会と内郷商工会と情報交換を行いました。

   統合校に対するご要望を伺うことができるなど、大変参考になる話合いを持つことができました。

 ④統合に関する地元中学校の生徒からの意見聴取「中高交流会」10月14日(金)、いわき総合高校会場

   内容:内郷第一、第二、第三中学校、好間中学校の代表生徒が来校し、ワークショップを行いながら統合校に

     関する意見、要望などを聴くことができました。

 

 ⑤教育内容検討委員会 10月28日(金)、会場:好間高校

   両校間の2回目となる話合いの場となりました。両校で持ち寄った統合校に関する検討内容を紹介して、

  意見を交わしました。統合についての課題を共有することができました。

 

 今後行われる、第2回目の改革懇談会での議論を踏まえながら、好間高校と本校とで、統合校に関するアイデアを

出しながら、さらに検討を進めてまいります。

 また、随時、進捗状況などについて、情報提供してまいります。

   

第1回県立高等学校改革懇談会が開催されました

 いわき総合高校は、令和7年4月に好間高校と統合する予定となっています。

 そこで、令和4年7月21日(木)に、いわき市長の内田広之 様、県教育委員会教育長の大沼博文 様の同席のもと、第1回目となる改革懇談会を、いわき総合高校を会場に開催しました。

 いわき総合と好間のPTA、同窓会の代表や内郷地域、好間地域の地元の有識者など、14名が出席し、私もいわき総合高校を代表して参加しました。

 会議で話し合われた内容の概要は次のとおりです。

○ 委員からは、統合を前提として、統合後の高校のあり方に対する前向きな意見が多数出されました。
○ 好間高校の生徒の負担を考慮し、好間高校の生徒が卒業まで好間高校の校舎で学ぶことができる「校舎方式」を採用することが、望ましいとの意見が出されました。校舎方式を採用するかどうかは、第2回改革懇談会で確認される予定です。
○ 統合校の教育内容については、第1回目の改革懇談会で出された意見を受け、両校の教職員と県教育委員会とで協議し、第2回目の改革懇談会で御意見を頂きながら検討していく予定です。

○ また、年内に第2回県立高等学校改革懇談会を開催予定であることについて、県教育委員会から示されました。

 

第1回県立高等学校改革懇談会の様子第1回県立高等学校改革懇談会の様子

7月終業日の話

 [ 夏季休業前の終業日である8月20日(水)に、夏季休業前の校長からのあいさつをしました。以下は、その際に話をした内容です。校長あいさつに引き続き、教務部主任、生徒指導部主任、進路指導部主任の3名からの話がありました。いずれも、生徒への熱意と愛情あふれるメッセージが込められた話だったことをお知らせします。]

 

 終業日に当たり、校長から一言申し上げます。
 皆さんが、今を生きる令和4年という時代には、ロシアによるウクライナ侵攻があり、先日の安部元首相の殺害事件など、「まさかこんなことが起きないだろう。」と思うような、普通ではあり得ないことが起きています。
 近年の地震や台風などの自然災害を含めて、私たちにとって、未来を予測しにくい時代になっているのは確かです。
 しかし、私たちは、この時代を生きていく存在です。
 そこで、この同じ時代を生きる皆さんに、3つのことを話したいと思います。
 1つ目。この時代を生き抜くためには、たくましくあることが必要です。皆さんには「たくましくあれ!」と言いたいと思います。
 しかし、たくましさを鍛えるためにはどうしたら良いのでしょうか。特に、心のたくましさを得ることは簡単ではありません。
 そこで、皆さんに、「挑戦者であれ!」と改めて言い直したい。挑戦することは、失敗することと同じ意味を持ちます。人は、多くの失敗をして、その失敗から立ち直る経験を通して、たくましくなるものです。皆さんには、失敗を恐れない、転んでもただでは起きない、たくましさを身に付けてほしいと思います。
 2つ目は、その挑戦する場面を自分でつくることです。そこで皆さんには「自己決断せよ!」と言いたいと思います。「自己決断せよ」とは、「自分にどのような経験を積ませるのか、自分で決めることが大切だ。」という意味です。

 今年の4月に、「今日のチェレンジ」をしてみてほしいと言ったことを覚えているでしょうか。これは、1日1回でいいから、小さなチャレンジ、つまり、小さな失敗をする習慣を持ってほしいとの考えから出た言葉です。学校には「今日のチャレンジ」に頼らなくてもチャレンジできる場があります。それは、部活動や委員会の活動です。今はまだ7月です。今からでも、部活動や委員会活動にチャレンジの場を求めることを、皆さんにお勧めします。

 3つ目、皆さんに「表現者であれ!」と言いたいと思います。私たちが、ある「人物」について語るときには、その人が、何を話したのか、どんな表情をしたのか、どんな行動をしたのかを語ります。つまり、言葉も、表情も行動も全て表現。つまり、自分が外に向かって表現、アウトプットしたものが、他者から見た「自分像」だということができます。
 今、社会は、誰かに何かを伝える能力を持った人を必要としています。本校では、表現力を鍛える機会として、産業社会と人間、あるいは音楽、美術、演劇などの専門科目をはじめ、地域探究や課題研究の発表など、表現する場目を準備しています。本校で、自分の表現力を磨いて欲しいと思います。

 最後にまとめます。私は、はじめに「たくましくあれ!」と言いました。しかし、学校は残念ながら、皆さんに「たくましさ」を提供することはできません。「たくましさ」は、自分で経験することで初めて身に付くものだからです。
 ですから、改めて言います。未来予測が難しいこの時代を生きぬくために、「挑戦者であれ!」「自己決断せよ!」「表現者であれ!」と。
 4月から約4か月、私は、皆さんの行動を見てきましたが、廊下での挨拶や避難訓練や球技大会での素早い行動ができるなど、皆さんの行動は素晴らしいと感じています。そして、さらに大きく成長する可能性感じています。
今後の皆さんのチャレンジを応援しています。

令和4年度 始動!

 令和4年春の人事異動で、いわき総合高等学校に着任しました校長の小林寿宣です。

 いわきの地は、初任者として、初めて教職についた湯本高等学校以来で、24年ぶりとなります。

 さて、先日、4月8日(金)に、始業式と入学式を行いました。天候も良く、桜も満開。春うららかな中で、生徒の皆さんを迎えることができ、大変うれしく思います。

 また、11日(月)の新入生歓迎会では、生徒会、家庭クラブ、放送委員会の活動紹介に始まり、運動部・文化部が趣向を凝らしながら、活動の様子を紹介してくれました。生徒の皆さんには、本校の様々な活動に積極的に参加して、高校生活をより充実したものにしてほしいと思います。

 そして、17日(日)には、芸術・表現系列(演劇)の3年次生による「自画像」公演がありました。「自画像」公演とは、生徒による自作・自演の一人芝居で、これまでの学習の集大成として行われるものです。高校生が一人芝居を演じることへの驚きとともに、生徒の皆さんが抱える日々の葛藤と秘められたパワーを感じることができました。

 放課後になると、合唱部の歌声や吹奏楽部の楽器の音が校舎内に響きます。視線を変えれば、運動部の生徒たちが身体を躍動させる姿が見えます。

 このような生徒たちの活動を、私たちはしっかり支援していきたいと考えております。

 そこで、生徒の皆さんを応援するために、今年の本校のスローガンを考えてみました。

 「生徒一人一人が持つマイ・ストーリーを大切にする。」というものです。

 これは、「生徒の皆さんが本校でつむぎ上げる、自分自身の物語を、学校は尊重し支援していきます。」という思いを表したものです。

 本年度は始まったばかりです。これから、授業での学びも部活動などの活動も本格的になると思います。私たちは、このスローガンと、校是である「個性・自律・創造」の理念のもと、教職員一丸となって、挑戦・躍動・感動・成長する生徒を育てていきたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。

                                  いわき総合高等学校 校長 小林寿宣

校長ブログ「自ら突き破れ!」

 夏休みも中盤にさしかかってきました。酷暑が続いていますが、学校では、学習や部活動などに取り組む生徒たちの元気な姿が見られます。特に3年次生は、進路希望実現に向けて努力を積み重ねる日々が続いています。

 私が本校に着任して、あっという間に4か月半が過ぎました。この間、私が生徒たちに繰り返し紹介している言葉があります。それは、ピョンチャンオリンピックスピードスケート女子500メートルで金メダルを獲得した小平奈緒選手の、「与えられるものは有限、求めるものは無限」という言葉です。彼女がインタビューで語ったその言葉は、私の胸に深く深く響きました。与えられるものには限りがある。自ら考え、自分で自分に必要なものを追い求めよ。そこにこそ無限の可能性が広がる。自分の人生は自ら切り拓くのだという覚悟が込められた言葉だと思います。私はこの言葉を、入学式、始業式で紹介し、本校生の皆さんにも、そういった心構えで学校生活に臨んでほしいと訴えてきました。

 本校はいわき地区唯一の総合学科高校であり、生徒の多様な個性が輝く学校としてこれまで様々な活動を行ってきました。本校にはまさしく「無限」の可能性が広がっています。 

 今日も学校の上空には真夏の青空が広がっていますが、この空は世界中につながっています。本校生には、自ら自分の殻を突き破って、自分の足で、より広い世界へと踏み出していってほしいと思います。

 PTA、同窓会及び体育文化後援会の皆様をはじめ、地域の様々な方々のご指導ご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

                             福島県立いわき総合高等学校長 渡邉 学

 

(グラウンドから見た校舎と青空)

新年の始まりに際して

 新しい年の始まりに際して、私からみなさんに3つのことわざを使い話をします。

 

 最初に「1年の計は元旦にあり」です。聞き慣れた言葉ですね。1年の始まりにあたって目標を立てなさいと言う意味です。みなさんも様々な目標を立てたことと思います。その目標に向かって努力して高校生活を豊かなものにしてほしいと願っています。

 目標を立てる時期として元旦はわかりやすいのでこの表現になっていると思います。でも、目標はいつ立てても良いですよね。また、1年といった長期スパンでなく、1月でも1週間でも1日でも良いです。大事なのは「目標を立てること」です。目標を定めることで、自分がすべきことがわかってくる。まだ目標を立てていない人は、遅いということはありません。今から目標を立てましょう。自分に目標を意識化させるために、目標を文字化し声に出してみましょう。思いが定まるはずです。

 

 2つめに「終わりよければすべて良し」です。同じような言葉に「立つ鳥跡を濁さず」や「有終の美」といったものがあります。最後をきれいにまとめるということは、これまでの取組を仕上げる上でとても大切なことです。自分にとっても他者にとっても与える印象は随分と違うのではないでしょうか。

 3年次生は、高校生活で残された時間はあとわずかです。この時間をどう使うかが君たちの高校時代をまとめあげる上でとても重要になってきます。最後の試験、自宅学習時間の過ごし方、卒業式での立ち振る舞い等々。よく考えて「総合生」にふさわしい時間を過ごしてください。

 1年次生・2年次生も同様です。すでに君たちの新しい年度のスタートははじまっています。自分の将来を見据えた行動をとり、この3ヵ月を豊かで充実したものにしてください。

 

 3つめは「君子和して同ぜず。小人同して和せず」です。優れた人は周りの人たちと協調するが、主体性を失わずむやみに同調したりしない。つまらない人物はたやすく同調するが、心から親しくなることはないという意味です。

 家庭、学校、会社、地域といった集団の中で、みなさんは多くの人たちと触れ合って生活をしています。そして、多くの人が、他者との関係に悩んでいます。みなさんもそうでしょう。そのような時、この言葉を思い出してほしい。「相手と仲良くしつつ自分を見失わない」姿勢を保つことが、その悩みを軽減させると思うからです。ただ、「仲良くする」というのは、相手に媚びることではありません。苦手な人もいるでしょう。そのような人とは、一定の距離を保ちつつ必要以上に対立関係をつくり出さないことが大事だと思います。

 高校での生活を通して、相手を見る眼を育て、自分の価値観を大切に育てていってほしいと願っています。

 

 さあ、一人一人が自分を輝かせる新しい年となるよう、本校で過ごす時間を大切にしてください。

熱かったナイトハイク

 7月26日(木)27日(金)の両日、本校恒例の生徒会主催行事「ナイトハイク」が、保護者26名余の協力を得て、生徒97名、教職員14名が参加して行われました。
 事前の校内説明会には、300名を超える生徒たちが集まり、本校の伝統行事である「ひたすら歩く」への関心の高さをうかがい知ることができました。「総合生」のチャレンジ精神は旺盛です。道中の安全確保等の事情により、最終的には100名の生徒が参加することとなりました。
 当日は、猛暑続きの今年にしてはちょっと暑さが和らいだような天気でした。「ミニストップいわき勿来駅前店」の駐車場で出発式を行い、19:30に元気に出発しました。その後、「ファミリーマート佐糠店」「ローソン小浜店」「ローソン吹松店」「セブンイレブン花畑店」「ローソン鹿島久保店」「旧ミニストップ関船店」「ほるる駐車場」で休憩を挟みながら、05:00に学校に無事到着しました。熱い夜を通しての35キロのウォークでしたので、生徒は一様に疲れた表情を見せていましたが、達成感から充実した表情が垣間見え、意義深い時間を過ごしたようでした。時間が経てば経つほど、記憶に深く刻み込まれる生徒会行事になることでしょう。
 保護者の方々には、巡回警備や豚汁づくりなどで御協力いただきました。豚汁、ソーメン、おにぎりに込められた愛情という隠し味で、生徒たちの体の疲れは間違いなく軽減されました。本当にありがとうございます。
 もちろん、校長と両教頭も完歩しました。私たちにとっても、貴重な「青春の一頁」となりました。

地域の皆様に感謝

 本当に暑い日が続きます。熱中症や雷雨・突風等に気をつけて、夏休み中の教育活動を行うべく肝に銘じているところです。
 さて、本校では、7月18日(木)・19日(金)の2日間にわたり、校内球技大会が行われました。水と塩の補給をしっかり取らせながらの大会となりました。お陰様で、大きな事故等もなく無事終了することができました。生徒たちや先生たちに感謝感謝です。
 大会はクラス対抗ということで、クラスお揃いのTシャツで勝利と団結を求めて総合生らしい爽やかなプレーや応援が随所に見られました。このような学校行事は、住宅街の中にある学校として地域の方々の御理解と御協力がなければ成立しません。内郷内町駒谷の皆様に感謝申し上げます。
 今回から、種目別、年次別、総合の優勝チームにはトロフィーが贈られます。これは内郷宮町のひめゆり総業株式会社様から御寄贈いただいたものです。7月20日(金)の表彰式で生徒たちに披露しました。きらめくトロフィーの外面に生徒たちの笑顔がうつりこんでいました。温かいお心遣いに改めて感謝申し上げます。

 夏休み中の主な行事等をお知らせします。7月26日(木)~27日(金)生徒会チャレンジ企画「ナイトハイク」(勿来駅出発、いわき総合高校着)、7月26日(木)吹奏楽部 県大会出場(いわきアリオス)、8月11日(土)~12日(日)芸術・表現系列演劇 卒業公演「春母夏母秋母冬母」(いわきアリオス)、8月19日(日)フラガールズ甲子園。この他にも各地での運動部の大会等に出場します。地域の皆様、応援等をよろしくお願いします。

思いやりリレー

 暑い日が続いています。

 生徒たちの水泳の授業での楽しそうな声が校長室まで聞こえてきます。また、いわきグリーンスタジアムをはじめとした県内の4球場では、グランドで球児たちが白球を追い、保護者や生徒たちがスタンドで声をからして声援をおくっています。明日14日(土)から、後期の闘いが始まります。

 このような中、朝日新聞によれば「大雨特別警報が最初に出された6日から13日で1週間を迎えるが、被災地ではなお7千人が避難生活を強いられ、行方不明者の捜索が続いている」とのことで、西日本では、豪雨による土砂崩れや堤防の決壊による河川氾濫が起き大変な被害が生じています。 
 被災された方々そして関係者の皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。
 雨はやみましたが、ため池の決壊や土砂にせき止められた河川の氾濫などが懸念されており、被災地の方々は未だ心安まるいとまもないことと思います。
 東日本大震災で被災した私たちにとっては、その労苦を他人事と捉えることはできません。また、震災の折に西日本の方々からいただいた、篤いご支援を忘れてはいません。
 毎年、長崎県立佐世保南高等学校の皆さんが修学旅行の一環として、本校を訪れてくれています。また、東日本大震災の被災地を応援ということで、本校のフラダンスチーム「アロヒ・ミノアカ」は、岡山県早島町の「早島絆の会」や熊本県上天草市の向陽寺の住職 渡辺紀生様にお招きいただき、励ましていただくとともに交流を深めさせていただきました。昨年は、京都で平和と安寧の舞を披露させていただきました。
 「今、私たちにできることは何だろう」 
 「高校生ができることは何だろう」
 これまでのご支援に感謝しつつ、総合生とともに考えていきたいと思います。一つの解としては、高校生が今をしっかりと生き抜くこと、その姿をお見せすることかなとも思っています。
 今回は、言葉だけのお見舞いとなってしまいますが、被災地の一日も早い復興と笑顔ある生活が戻ることを祈らせていただきます。

 

16期生のみなさんへ

 本校正門を入って左側にある第一体育館の前に、ソメイヨシノが一木あります。16期生の入学を祝福するかのように、薄桃色の花びらを広げて、今、咲き誇っています。
 人口に膾炙しているところですが、現在、桜の代表として扱われているソメイヨシノは、江戸末期から明治初期にかけて、江戸の染井村(現、東京都豊島区駒込)に集落を作っていた造園師や植木職人達によって交配・育成された桜木と言われています。遺伝子解析によれば、ソメイヨシノはエドヒガン系統の桜と日本固有種のオオシマザクラを最初の父母とするクローンだそうです。異なる桜の交配によって、春の訪れを象徴する花となりました。今では、アメリカのワシントンでの花見の様子がテレビ等で報道されているように、多くの人たちに愛でられるようになってきています。
 さて、牽強付会的ですが、学校もソメイヨシノが創られる過程のような場ともいえそうです。本校には、多くの中学校(今年度は、県内外32校)から生徒たちが集まってきています。生徒たちは、クラス・部活動・委員会活動・学校行事等で、多くの人と出会います。その出会いを大切にしてほしいと思います。言葉を交わした時、一緒に作業をした時などに、さまざまな刺激を君たちは受けるはずです。時として、マイナスの感情を持ってしまうことがあるかも知れません。その際にどう対処するか、その人にどう向き合うかがとっても大事です。これらのことを通して、社会における「自分」が形成されていきます。なるべく多くの人と交流を持つことが、自分の内面に変化をもたらし成長を促す契機となるものと考えています。
 ぜひ、今日から、上級生、同級生、先生たちと多く言葉を交わしてさまざまな活動に取り組んでください。卒業の日まで、桜花のように一輪一輪が見事に咲き誇り、幹が大地にしっかりと根ざす一木となることを期待しています。

遅ればせながら、着任のあいさつ

 この度の人事異動で、本校に着任しました安瀨一夫です。前任校は、県立石川高等学校でした。いわきの地は、好間高等学校離任以来ですから、21年ぶりとなります。いわき総合高等学校の生徒の魅力をさらに高めるべく努力してまいりますので、本校への御協力御支援をよろしくお願いします。

 早足に桜の季節が過ぎ、シャクナゲの香りを感じる頃となりました。
 4月は、始業式・入学式・新入生歓迎会・部活動登録・身体測定等々の行事が続きます。5月の連休前後には、高体連の地区大会が開催されるので、3年生を中心に部活動にも熱が入っています。この時期は、生徒・教職員の疲れがピークになる時期で、体調管理を気遣いながらさまざまな活動をすすめているところです。
 さて、本校は、4月7日(木)に始業式、翌8日(金)に入学式を行い、新しい年度が本格的にスタートしました。入学式では、美術部員が1年生の教室の黒板に、歓迎のチョーク絵を描き新入生を温かく迎え入れてくれました。11日(月)の新入生歓迎会では、運動部・文化部・家庭クラブが趣向を凝らし、これまでの活動の一端を紹介してくれました。
 今、生徒たちの晴れやかな声が校舎内外に満ちています。チャレンジ精神旺盛で礼儀正しい本校生の活動する姿に圧倒される日々を過ごしています。先生方も意欲的に魅力ある授業を展開しています。まさしく春です。生の躍動を感じています。
 ところで、私は、始業式・入学式等を通じて、生徒たちに次のようなメッセージを伝えました。
 一つ目は、自他の命を大切にしてほしいということです。生きていること、そのこと自体に価値があるので、自らを含むあらゆる命に敬意を払ってほしいということです。
 二つ目は、これまでの本校の取り組みを継承しつつ、さらに個性輝く学校づくりを共に進めていきましょうということです。個性は、具体的な行動や取組から生まれ育っていくものです。学業・部活動・委員会活動、そして趣味の世界でもいいので、自らの目標を定め、目標実現のために必要なことを、日々の生活の中で着実に積み上げていきましょうということです。
 三つ目は、感動する心と人に感動を与えることができるものを自分の中に育てて欲しいということです。感動する心は、対象とするものに正面から向き合うことで生まれます。この姿勢ができたとき、人を感動させるものづくりが始まります。自分が躍動することで、他者が感動してくれる素晴らしさを経験してほしいということです。
 四つ目は、ルールと責任についてです。芸術・スポーツが美しく感動を生むのは、ルールに基づき行われるからでしょう。ルールや責任は、自らを縛るものではなく自らの可能性や自他の関係性を広げるものと考えています。生徒の皆さんは、このことをしっかりと理解して学校生活を送ってほしいということです。
 最後に、「天は自ら助くる者を助く」という言葉を紹介しました。幸せになるか不幸になるか、成功するか失敗するかは、自分の心と行動が決めるのです。もちろん、外部的要因もありますが、少なくとも内部的要因で自分の成長を諦めてはいけません。いわき総合高校の3年間で、確実に自分を成長させましょうということを伝えました。
 校是の「個性・自律・創造」の下、教職員一丸となって、挑戦・躍動・感動・成長する生徒を育てていきたいと考えています。よろしくお願いします。

平成28年度入学式 式辞

        福島県立いわき総合高等学校 平成28年度第15期生 入学式 式辞

 風光る中、薄桃・黄・白と咲き競う花びらに生命が躍動する春を感じる季節となりました。
 この佳き日に、福島県議会議長 杉山 純一 様、PTA会長大和田 清 様、同窓会会長 佐久間 均 様をはじめ、多くのご来賓、保護者、関係者の皆さまにご出席いただき、福島県立いわき総合高等学校 第15期生240名の入学をお祝いいただけますこと、本校を代表しまして心より感謝申し上げます。

   ただいま入学を許可された240名の皆さん、入学おめでとう。皆さんの本校への入学を、教職員並びに在校生とともに心から歓迎します。

 保護者の皆様方、お子様のご入学 誠におめでとうございます。お子様は、15の春の大きな試練を乗り越え、本日、本校に入学が許可されました。このことは、本人のたゆまぬ努力の成果と思いますが、保護者の方々の温かい励ましがあったからこそだと推察いたします。本日より、教職員一同、本校の特色ある教育を展開しお子様の成長をしっかりとサポートしていくことをお約束します。

 いわき総合高等学校は、生徒の多様な個性を尊重し、それぞれが持つ創造性を最高点まで高める教育をしたいと考えています。そのために、生徒の皆さんには、自らが心と身体と言葉をコントロールすることを求めたいと思います。

 本校では、自分の興味・関心に基づいて学びを深め、最良の進路選択が可能となる教育環境を用意しています。学びの科目群として、人文国際、自然科学、情報、芸術表現、スポーツ健康、生活福祉の6系列をもうけており、それぞれの系列で魅力ある先生たちが特色ある授業を実施しています。
 また、その道の専門家や企業のトップによる講演会、大学での授業や企業での就業体験等、キャリア発達に資する豊富な機会を提供するなど、外部の教育資源を活用できる体制ができています。
 皆さんの目標が実現されるには、このような豊かな教育環境を活かすとともに、「指示を待つ」のではなく「自らが動く」姿勢を持ち続けることが大切だと考えています。まず、自分の目標を、保護者・先生・友人に話すことがスタートです。言葉は力です。宣言することで目標は実現されるのです。そして、行動です。進学を考えている人は、まずは大学に足を踏み入れましょう。就職を考えている人は、希望する職場を見学してみましょう。スポーツや演劇等の世界を目指す人は、ライブに足を運びましょう。本物に触れ感動することで、感動を与えられる自分を創りあげることができます。
 皆さんは、自らの選択と責任により、学校生活の充実と進路実現を達成することができるのです。

 本校は、大正3年の内郷村立農業補習学校の創立から数えると100年を超える歴史を持つ学校ですが、いわき総合高等学校としての歩みはまだ13年と若い学校です。しかし、先輩たちの力によって、現在では、いわき・福島にとどまらず全国にその魅力を発信できる学校となっています。新入生の皆さんのそれぞれの「てっぺん」を目指す力の相互作用により、本校をさらなる高みに引き上げてほしいと期待しています。

 さて、本校の教育理念は、個性、自律、創造です。本校は、皆さんの個性を尊重する学校でありたいと願っています。これは皆さんの協力がなければ維持できません。あなたの個性が尊重されるということは、彼や彼女の個性も尊重されるということです。フランスの啓蒙思想家ボルテールの言葉に「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」があります。多様な価値観を認める姿勢を大事にしてほしいと思います。

 自律とは、自らの感情・行動等をコントロールし、理性に従うことだと、ドイツの哲学者カントは言っています。欲望や社会的慣習に従い行動することは、一見自由に見えますが真の自由ではありません。理性に基づいて自分が自分に与えた命令に従って行動することで、自由になれるのです。私流に解釈すれば、人間が普遍的に持つ価値すなわち理性に基づいた「すべきことはする」「していけないことはしない」という自分の心の声に従うことだと思います。3年間、このことを心に刻み生活してほしいと思います。
   創造。これこそが、人間だけが持つ大きな力です。創造性を発揮するには、自らの個性を見極めて磨き、自らを律して生活する時間が必要です。高校時代が、創造性を開花させる大切な時間だと考えます。この3年間で成し遂げるべき目標を定め、そのことに挑戦してほしいのです。授業、部活動やクラブ活動、生徒会活動、ボランティア活動等、日々の生活の中で行われる時間を充実したものにすることが、創造性を伸ばす近道です。

   保護者の皆さま。いわき総合高等学校は、コミュニケーションと生徒によるレベルの高い表現活動を大切にしている学校です。学んだり体験したり、又は調べたり研究したりしたことを発表する機会、さらには授業の一部として行われる演劇や音楽の舞台発表や美術作品の展示、盛んな運動部の対外試合、多種多様な文化部の定期演奏会や発表会等々、保護者の皆さまに楽しんでいただける機会が多数あります。その都度、ご案内をいたしますので、是非お子様の発表、同級生や上級生の活躍の場に足を運んでいただき、ともにお子様の成長を確認していただければ幸いです。

 結びに、PTA、同窓会、体育文化後援会の皆さま、そして地域の皆さまには、これまでの本校への特段のご支援に感謝申し上げるとともに、今後とも変わらぬご協力をお願いし、我々教職員一同、第15期生240名の生徒諸君が、本校での3年間で、挑戦・躍動・感動・成長の軌跡を描ききれるよう全力で支援していくことを誓い、式辞といたします。

 平成28年4月8日
                                      福島県立いわき総合高等学校長 安瀨 一夫 
                                                                               

平成27年度後期終業式 校長のはなし

皆様
 平成28年3月18日(金)は後期終業日です。終業式に先立って、表彰伝達式が行われました。精勤賞(1年間皆勤)受賞者は、1年次生96名、2年次生106名にものぼりました。ハンドボール部、陸上競技部、吹奏楽部、写真部、JRC・インターアクト部、家庭クラブの各団体・個人の表彰に続き、税の作文、英語、国語、数学、情報処理、被服製作の各検定の表彰をしました。皆さんの努力を心から讃えたい。表彰の最後は、サンシャインフルマラソン完走の先生方(4名)と二科展で新人奨励賞受賞の先生です。先生方も活躍しています。

平成27年度 後期終業式 校長のはなし

〔輝かしい一年、生徒諸君に感謝〕
 3月1日に卒業した第12期生と皆さんが造り上げたこの1年はすばらしかった。それは、皆さん1人1人が、先生方や学校外部のサポーターの皆さんと共に、それぞれの舞台で全力で学び活動したからであり、そういう友の活躍の場に立ち会い拍手を送る事ができたからです。学校全体として多様性と多様性を認め合う雰囲気が一層高まっています。
 昨年もこの場で学校評価アンケートについて話をしました。私たち教職員が、自分たちの一年の有り様を反省する大切な材料だからであり、生徒の皆さんにフェアでありたいと考えるからです。「この学校に入学して良かった」と肯定的に回答してくれた生徒諸君は91%、保護者は97%もいてくれる。昨年度よりも数字は上昇しました。大変ありがたい。そうではない皆さんにも本校で学ぶ意義を感じてもらえるように努力していきます。
〔いわき総合の存在意義は何であるか〕
  本校は、キャリア教育・コミュニケーション教育を大切にして、多様な教育活動を展開している学校です。これらは、漢字を覚えるとか計算ができるようになったとかと違って、保護者の方も理解しにくい。そういう学校であるからこそ、しかも今後の日本の学校の在り方を考える上でも参考にしたいものがたくさんある学校なので、この学校の価値を、先生方も生徒諸君も保護者の方も一緒に、皆が語り続けなければならないのだと考えます。
〔自律の姿勢〕
 本校が大切にしている言葉、「個性、自律、創造」の中の「自律」についてです。本校は、集会時に、教師や生徒司会者が「静かにしなさい」とは言わない学校です。話し手がマイクの前に立てば自ずと静かになり、盛り上がるときは多いに盛り上がる、そのような生徒諸君が集う学校でなければならない。このことをはじめて生徒諸君に話したのは、平成25年10月24日の校内文化発表会の日でした。皆、自分の学校にプライドを持ちたい。誇れる学校にしたいという思いを持っているのだと感じました。そして、今、それができるようになりました。第13期生・14期生は入学してくる第15期生に身を以て示し、そして教え導いてください。
〔最後に〕
 耐震工事と格技場の改修工事で、不便な毎日が夏まで続きます。特に剣道部の諸君には迷惑をかけている。施設は十分ではないけれども、互いに譲り合い協力し合って乗り切ってください。
 校内では新年度の準備が始まっています。第15期生240名も決まり、皆さんは、あの楽しい新入生歓迎会に向けて精力的に準備を始めてくれている。上級生としての自覚を持って、第15期生を、真のいわき総合高校生にしてあげましょう。

平成27年度第12回卒業式式辞

 平成28年3月1日(火)、北日本や日本海側は大変な悪天候であろうと思われます。ここ福島県いわき市は、風はとても冷たいものの、暖かい陽光に包まれています。本日は、福島県立いわき総合高等学校第12期生の卒業式、231名が本校を巣立っていきました。先生方や友人、後輩と名残を惜しむ姿が、そこかしこに溢れています。

福島県立いわき総合高等学校  平成27年度 第12回卒業証書授与式 式

 ただいま、全国総合学科高等学校長協会賞を受賞した孫田優希さんを代表とする第12期生231名に卒業証書を授与いたしました。この記念の日に、福島県議会議員 安部泰男様はじめ、多数の御来賓の皆様のご臨席を賜り、いわき総合高等学校第12期生の前途を祝福していただけますこと、心より感謝申し上げます。
 栄えある卒業証書を手にされた生徒諸君、卒業、おめでとう。そして、第12期生の保護者の皆様に、心からお祝いを申し上げます。3年間、保護者の皆様からいただいた数々のご協力に対し、教職員を代表して感謝の意を表します。

  本校は、震災後、仮設校舎での学習を余儀なくされておりましたが、平成27年4月20日に北校舎が竣工し、新しい学び舎となりました。これに合わせて、保護者の皆様には、北校舎に冷房を設置していただきました。PTA・体育文化後援会・同窓会の皆様のご支援により購入された体育文化後援会バスの利用も始まり、教育環境は一段と良くなりました。その一方、南校舎の耐震改修、格技場の大規模改修等の大型工事が続いており、生徒の皆さん、保護者の皆様にはご不便をおかけしております。

さて、いわき総合12年目の今年、本校を牽引した第12期生と後に続く生徒諸君の活躍はめざましく、日頃の勉学は勿論のこと、生徒会活動、ボランティア活動、運動部や文化部・同好会の活動が活発に行われ、輝かしい1年となりました。全国大会・東北大会に進んだ演劇部や陸上部、琴部の皆さん、県大会で優勝したハンドボール部の皆さん、フラガールズ甲子園で優勝したアロヒ・ミノアカの皆さんなど、上位大会での活躍が光った年でした。皆さんの活躍は学校の名誉を高め活気をもたらしてくれましたが、私が、同様にうれしいことは、多くの生徒諸君が、それぞれの舞台で全力で高校生活を楽しみ、関係者や保護者の皆様に感謝する気持ちを言葉で表現し、さらにはボランティア活動に一生懸命取り組んでいることです。まさに、「学びつつ表現する学校」の名に恥じない皆さんの姿でした。
 第12期生の活躍や資格取得の取り組み、学校生活の一端はお手元の表彰者一覧と皆勤賞・精勤賞一覧にございますが、私は毎年、学びと表現の集大成である課題研究の発表者をこの場で紹介しております。今年の研究発表会は、12月12日(土)に開催され、鈴木卓巳君、北郷未知さん、瀨谷笑加さん、そして高萩彩乃さんの4名が、各系列を代表して研究成果を発表し大きな拍手を受けました。テーマは救急救命からデッサン、コミュニケーション、福祉と多岐にわたり、本校の多様な学びと生徒諸君のレベルの高い表現力を明らかにしてくれました。

 総合学科である本校の特色は、キャリア教育とコミュニケーション教育にあります。それらを実現するために、まず、6つの系列に分類されている多種多様な授業がありました。人文科学や自然科学はもとより、本校の特長である芸術やスポーツ、生活福祉や情報の科目により、専門的な教育を実現しています。皆さんが自ら選択して学んだことが、皆さんの人生に生きて働くものと期待しています。卒業発表会や校内文化発表会等で舞台に上がる生徒も多い。プロムナード・コンサート等も含めて、全体としてスケルツォ的な面白さを醸し出しています。カリキュラムも生徒諸君も多様で、その多様さを認めあう雰囲気がとても良い。このような教育は、本校の教員ばかりではとても実現できません。大学の先生方やそれぞれの道のプロフェショナルな指導者、学校外部の各種団体の皆様の参画によるところが非常に大きく、心より感謝しています。このようなことにより、就職から進学までの多様な進路目標が実現しており、本校からの情報発信を楽しみにしてくれているサポーターも多いのです。
 多様性があり、多様性を認め合う社会は、風通しも良く、様々な困難をも乗り越えるしなやかな強靱さを持ちます。大学や専門学校に進学し又は就職して、皆さんは、新しい人々の集団の中に入ってゆくわけですが、自らの輝きは、周りの人々の異なる色合いとの共存の中で一層その輝きを増すことを理解しておいてください。そういう理解は、皆さん1人1人を幸せにするとともに、周りの人々を幸せにすることにもつながります。皆さんが学んで獲得した知性は、そのような方向でこそ生きるのです。

 東日本大震災と原子力発電所事故から5年の歳月が流れようとしています。諸君の中には、希有な体験を経て、葛藤しながら成長してきた仲間も多い。福島県は、未だ事故からの傷が癒えず、懸命の努力にもかかわらず、多くの町はその将来が見通せない。そのような経験をした皆さんだからこそ、地域と日本と世界に目を向け、貧困、エネルギー、教育、民族間の紛争などの本質を理解する努力をし続けてほしい。自分と自分のまわりの自由を尊重し、ローカルに行動し、しかし、視線は常に世界とその未来に向けてください。いわき総合高校も、皆さんがプライドを持って本校を語り続けられるように、前進してまいります。

 さて、これから皆さんは、クラスの仲間や部活動の仲間、お世話になった先生方に別れを告げ、社会への一歩を踏み出します。どのような出立の時でも、始めの一歩は大切でありましょう。昇降口を出るとき、又は校門を出るとき、力強い、大きな一歩を踏み出しましょう。皆さんには、それができる意志があり、その勇気があり、その力が備わっているはずです。
皆さんの前途を心から祝します。
   平成28年3月1日
                                                      福島県立いわき総合高等学校長 吉田豊彦  

祝 演劇部 県高校演劇コンクール最優秀賞(11月27日掲載再掲)

第69回福島県高校演劇コンクール 最優秀賞・ スタッフワーク賞受賞
 期日 平成27年11月25日(水)~27日(金)
 会場 田村市文化センター
 ※東北大会は、12月18日(金)から青森県八戸市公会堂で行われます。
  本校の上演は、20日(日)11時30分の予定です。

平成27年度前期終業式 校長のはなし

皆様
 本日は、平成27年度前期最終日です。午後に賞状伝達式と終業式を行いました。
 賞状伝達式は、生徒の活躍が光った今期でありましたので、全ての賞状を授与することはまったくできず、運動部代表として、男子ハンドボール部(県1位)、女子ハンドボール部(県3位)、男女バスケットボール部(ともに地区1位)、陸上競技部(個人県1位等入賞多数、東北大会出場)に賞状を授与しました。文化部関係では、吹奏楽部(県金賞)、演劇部(全国優良賞)、美術部(県総合美術展佳作)、家庭クラブ(フラ 文部科学大臣賞等)の表彰を行い、併せて、日本漢字能力検定、実用英語技能検定、情報処理技能検定、文書デザイン検定、家庭科被服製作技術検定(和服、洋服)、家庭科食物技術検定の各合格者代表に合格証書を手渡しました。
 賞状・証書を獲得した生徒諸君だけではなく、ボランティア活動や大切な日々の学びを頑張っている生徒諸君全員を心から誇りに思うところです。
 

平成27年度前期終業式 校長のはなし 

 平成27年度前期も本日で終了します。ただいま、賞状伝達式を行いまいましたが、この半年は、生徒諸君の活躍が大変光りました。どのような話をしようかと昨日は迷っていました。賞状等をもらった生徒諸君だけではなく、練習に懸命に取り組んだり、ボランティア活動や大切な日々の学びを頑張っている生徒諸君をねぎらわなければとか、選挙権年齢は、第二次世界大戦が終わった1945年に、25歳から今の20歳に引き下げられたのだけれど、70年ぶりに18歳に引き下げられ、来年夏の参議院選挙から適用されるから、生徒諸君には、社会や政治、世の中の動向にもっと興味を持ってもらいたいとか、または、3年次生はあと半年になり就職試験や進学試験に頑張ってほしいとか・・・・。
 考えた末に、もっと根源的な、皆さんの生き方や学校の在り方の根っこに関わる話をすることにしました。
 このところ、君たちと同年代の高校生の命が失われるという事が何件かおこっています。私は大変悲しいことだと思っていますが、皆さんはどう感じているでしょうか。
 命ということでは、私の近くでも、去年から今年にかけて、新しい命が誕生したり、身近な人を失ったりということがおきました。皆さんのまわりでもありますよね。新しい命が誕生したときに強く感じたことは、人っていうのは、いてくれるだけでいいんだということでした。そこにいてくれるだけでいい。今もその気持ちは変わりありません。最近、その反対に、身近な人を失いまして、その人とは、決して、話がすごく合うわけではなく、むしろ仕事一筋で話らしい話もあまりすることのない関係だったのですが、やはり、いなくなるというのは大きな出来事だなと感じているところです。その人は、お医者さんの見立てでは老衰、年をとって自然に命の火が消えたんだという説明でしたが、それでもなお、いなくなることって大変でした。
 先ほど、新しい命の誕生に出会ったときに、いてくれるだけでいいという気持ちを持ったと言いましたが、ずっとその気持ちを持ち続けられるだろうかということも考えました。私は欲張りです。人間関係も単純じゃないし、いつもきれい事で済むわけじゃない。日常を過ごすうちに、もっと勉強できたらいいのにとか(勉強しなくてよいといっているわけではありませんよ。)、ほんとに口うるさいとか、いろんな事が気になってきます。気になるけれども、それ以上に、ここにいてくれることはうれしいよね、という感じです。皆さんはどうですか。多分、皆さんの多くは、もしかしたら私以上に、自分を大切にし、家族や仲間を大切にする生徒諸君でしょうね。

 さて、本日の時点で、ここ、いわき総合高等学校には、711名の生徒諸君がいます。今日まで711名です。一人一人がここにいる、ということの価値を、皆さんの存在をとても大切にしているということを、私は皆さんに伝えたい。昨日の職員会議でも先生方に、同じ話をしましたので、先生方もそういうつもりで、引き続き皆さんを指導していきますよ。
 一方、皆さんは、自分の価値を大切にすると同時に、皆さんの隣の生徒がいてくれることの価値も尊重しなければなりません。言っていることはわかりますね。人の価値をそこなうような行動や言葉、ネット上のつぶやきも含めて、そういうことは決して許されないということです。そのような言動には厳しく対応してゆきます。
 我慢には限界があります。我慢の限界は、あなた自身が決めるのではなく、あなたが言葉を投げかける相手の側にあるということを、肝に銘じなさい。
 「私がここにいる価値」「人がここにいる価値」ということばをしっかり心に刻んで、これから話をする3人の部長さんの話をよく聞いて、後期の学校生活を送ってください。
 心から期待しています。

東北高校新人陸上大会出場(平成27年9月18日緊急連絡掲載)

平成27年度福島県高等学校新人体育大会 陸上競技
   平成27年9月11~13日 於:あいづ陸上競技場
 女子フィールド    第1位 いわき総合高等学校
  女子円盤投     第1位 中村友紀
  女子砲丸投     第2位 中村友紀
  女子ハンマー投  第3位 中村友紀  
  女子棒高跳     第3位 芳賀彩音
  女子棒高跳     第4位 金成紗弥
  女子やり投      第4位 新妻詩織
  ※以上の選手は、9月25日から青森県で開催される東北高校新人陸上大会に出場します。

祝 フラガールズ甲子園最優秀賞受賞(平成27年8月25日緊急連絡掲示)

第5回フラガールズ甲子園 最優秀賞・文部科学大臣賞受賞
  いわき総合高等学校 Alohi mino'akaチーム
      平成27年8月22日(土) フラの部
                   23日(日) タヒチアンの部         於:いわき芸術文化交流館アリオス
 ※8月24日には、スパリゾートハワイアンズにてエキシビションショーが行われました。
  ※Alohi mino'akaチームの活動の様子は、部活動の「家庭クラブ」をご覧ください。 

祝東北大会出場 陸上競技部(7月22日緊急連絡掲載)

第70回福島県陸上競技選手権大会
第68回福島県総合体育大会陸上競技大会

      H27.7.9~7.12     福島市 とうほう・みんなのスタジアム

女子  棒高跳      芳賀 彩音(2年) 3位
    以上 東北総合体育大会陸上競技大会出場 H27.8.28~30 岩手県北上総合運動公園
女子 100mH         古和口 詩(2年) 7位
       5000m競歩    齋藤日瑶里(3年)
 6位
       棒高跳        金成 紗弥(2年) 8位
       砲丸投        中村 友紀(1年) 6位
       ハンマー投      中村 友紀(1年) 4位

第38回全国高等学校総合文化祭出場(H27.6.2緊急連絡掲示)

今夏、『2015滋賀びわこ総文』に演劇部と琴部が出場します。
上演日時が決まりました。
演劇部 7月31日(金) 11:00~ひこね市文化プラザ(彦根市) 
             演題『ちいさなセカイ』 
 ※東北大会最優秀賞受賞作品。整理券(申込期限6月26日)が必要です。
     
http://www.biwako-soubun.jp/news/6667.html
琴 部  8月1日(土) 13:40~びわ湖ホール(大津市)  曲目『砧三章』
 ※四倉高校、小名浜高校との合同演奏です。

追伸 大会HPによれば、本校演劇部が演じる
大会2日目[7月31日(金)]の整理券発行は、既に予定枚数に達しており、停止されました。

星 祝陸上部東北大会(H27.5.29緊急連絡掲示)

第61回福島県高等学校体育大会 陸上競技
  平成27年5月22日~25日 郡山市開成山陸上競技場
 女子5000m競歩    第2位 齋藤日瑶里
 女子7種競技       第4位 鈴木芽衣
 女子砲丸投げ    第5位 中村友紀
  以上 東北大会出場(6月12日~とうほうみんなのスタジアム)
 女子棒高跳び     第2位 芳賀彩音

芸術表現系列「演劇」の授業実践について

 本校は芸術表現系列の中に学校設定教科「演劇」を開設しています。この教科は、「演技・演出」「演劇総合演習」「舞踊Ⅰ・Ⅱ」「日本舞踊」等の科目からなり、総合的なコミュニケーション能力開発を目指しています。福島県内では本校でのみ開設されている教科です。
 本校には演劇部もあり、自分たちの日常を舞台作品にしています。一方、授業を履修している生徒諸君も舞台で演じます(3年次には、プロの演出家のもとで作品をつくり、いわき市が誇るアリオスで上演します。)。しかし、教科「演劇」を履修している生徒=演劇部の生徒、ではありません???!
 本校が10年間実践してきた教科「演劇」の概要を、昨年、平成26年9月にまとめました。
 皆様に本校の教科「演劇」に興味を持っていただければ幸いです。

1_ 学校設定教科「演劇」におけるワークショップ型授業の展開(平成26年9月).pdf
2_参考資料・引用文献、補足資料一覧.pdf
補足資料1 平成25年度 第11期生自画像公演パンフレット.pdf
補足資料2 「演技・演出」・「演劇総合演習」公演等の記録.pdf
補足資料3-1 平成26年度 第11期生卒業公演パンフレット(表面).pdf
補足資料3-2 平成26年度 第11期生卒業公演パンフレット(裏面).pdf
補足資料5 平成26年度「演劇総合演習」履修者 アンケート.pdf
(「補足資料4 『ブルーシート』パンフレット」と「補足資料6 写真」は掲載していません。)

平成27年度 入学式 式辞

 いわき総合高等学校は、4月8日(水)に着任式・始業式を行い新年度が始まりました。本日9日(木)は平成27年度入学式、第14期生240名を本校に迎えました。明日10日(金)の新入生歓迎会は、生徒会を始めすべての部が新入生を歓迎する気持ちを表現し、いわき総合の面目躍如たる企画とパフォーマンスになります。
 いわき総合は、今年度も元気に、地域の皆様に愛される学校でありつづけるよう努力してまいりますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。      

                        福島県立いわき総合高等学校 校長 吉田豊彦 

         

福島県立いわき総合高等学校 平成27年度第14期生 入学式 式

 本日ただいま、福島県立いわき総合高等学校 第14期生240名の皆さんの入学を許可いたしました。皆さんの入学を教職員並びに在校生とともに心から歓迎します。この春に完成したばかりの北校舎も皆さんを待っていました。
 この良き日を、福島県議会議員 安部泰男様、PTA会長 大和田清様、同窓会副会長 根本晃様はじめ、多数のご来賓の方々にお祝いいただけますこと、心より感謝申し上げます。
 保護者の皆様におかれましては、お子様の本校へのご入学、まことにおめでとうございます。これからの3年間、責任を持ってお預かりいたします。
 いわき総合高校は、人文国際、自然科学、情報、芸術表現、スポーツ健康、生活福祉の6つの系列を持つ総合学科高校です。自分の興味関心や人生設計に基づいて、各系列に属する多様な授業の中から必要な授業を選択し学んでゆきます。2年目、3年目に選択する授業を今年のうちに決めるので、これからの一年間、実質的には半年間が非常に大切です。学校は、様々な学びの機会、例えば、専門家や企業のトップによる講演会、大学の授業や企業での就業体験等、キャリア発達に資する豊富な機会を提供いたしますが、皆さんの積極的な姿勢が最も重要です。例えば、家に帰って、自分の生き方や将来の職業選択について家の人と率直に話しあったり、進学を希望する諸君は、今年の夏休みには大学を自分の目で見てみるなどするとよいでしょう。
 本校は、100年ほどの歴史を持つ学校ですが、総合高校としての歩はまだ12年、皆さんより若い学校です。新入生がもたらしてくれるであろう熱い風に期待しています。
 本校の校是、本校が大切にしていることばは、個性、自律、創造です。
 本校は一人一人の個性を大切にする学校です。皆さんも、自分の個性を大切にすると同時に、あなたの隣の仲間の個性も尊重する生徒でなければなりません。
 自律とは、他からの支配や、逆に助けを受けず、自分の行動を正しく行うことです。この高校時代は、完全に自律するための準備の期間でもあります。自分の行動に責任を持つ存在になりましょう。
 創造的であることは、なんと楽しいことでしょう。日々の授業や、本校ではとても活発な部活動やクラブ活動、生徒会活動、ボランティア活動など、あらゆる場面で創造的であることは可能です。小さなところから、自分のアイデアを実現させる努力をしてゆきましょう。
 これらの言葉 個性・自律・創造を形にした校章は、第1期生の鈴木美由希さんが考案したもので、「SOGO」の文字を囲む太平洋の白波には、生徒諸君の自主・自律の精神が、将来の夢や希望の実現に向け、大きく広がってほしいという願いが込められました。校歌は、曲を小林研一郎さんに、詩を、『はいからさんが通る』『あさきゆめみし』などの漫画作品で知られる大和和紀さんに作っていただきました。伸びやかに成長する生徒諸君の姿を歌っています。早く校歌を覚え、先輩方に交じってよく学び、よく汗を流し、一日も早く、いわき総合生になってください。
 保護者の皆様にお願いがございます。いわき総合高校は、生徒によるレベルの高い表現活動を大切にしている学校で、学んだり体験したり、又は調べたり研究したりしたことを発表する機会、さらには授業の一部として行われる演劇や音楽の舞台発表や美術作品の展示、盛んな運動部の対外試合、多種多様な文化部の定期演奏会や発表会等々、保護者の皆様に楽しんでいただける機会が多数ございます。ご案内をいたしますので、是非お子様の発表、同級生や上級生の活躍の場に足を運んでいただき、ともにお子様の成長を確認していただければ幸いです。
 結びに、PTA、同窓会、体育文化後援会の皆様、そして地域の皆様には、これまでの本校への特段のご支援に感謝申し上げるとともに、今後とも変わらぬご協力をお願いし、我々教職員一同、第14期生240名の生徒諸君の本校での生活が実り多いものになるよう努力する事をここに固く誓い、式辞といたします。

 平成27年4月9日             

 福島県立いわき総合高等学校 校長 吉田豊彦    


平成26年度後期終業式の日に

 本日3月20日(金)は、平成26年度後期終業式でした。終業式に先立ち、体育文化後援会バス贈呈式と表彰伝達式が行われました。
 体育文化後援会バスについては、本校長年の懸案でありましたが、体育文化後援会、同窓会及びPTAの役員の皆さんにより議論を進めていただき、購入の運びとなりました。心より感謝申し上げます。
 表彰伝達式では、ハンドボール部、バスケットボール部、吹奏楽部、写真部、さらには赤い羽根共同募金スローガン、税の作文、地球温暖化防止のための福島議定書、漢字検定、数学検定、情報処理技術検定、文書デザイン検定、被服製作技術検定、KAKEHASHI Projectの各表彰状・賞状を渡しました。精勤賞の受賞者は、1年次106名、2年次112名にもなりました。
 念願の北校舎は、平成27年3月16日に部分引き渡しとなりました。3月18・19日の2日間、生徒の皆さん、卒業生有志、教職員の全員で引越作業を行い、本日の帰りのHRは、新北校舎で行われました。外構工事等はまだ継続しますが、予定通り、4月から新しい校舎が学舎となります。
 平成27年度、第12期生と第13期生が学校を牽引します。活躍してくれるものと確信しています。

        平成27年3月20日
  

福島県立いわき総合校長学校長 吉田豊彦
   

            

平成26年度 体育文化後援会バス贈呈式 校長挨

 ただいま、同窓会 佐久間均会長、PTA 大和田清会長より、生徒会長 山中優花さんに、体育文化後援会バスの鍵が渡されました。本校にとっては、長年の懸案でありましたが、体育文化後援会 鈴木礼子会長と同窓会長、PTA会長を中心に、各会の役員の皆さん方と一年をかけて検討を重ねて、バスの購入が決定され、昨日、3月19日(木)に納車となりました。昨日は、奇しくも、待ちに待った北校舎の、実質的には初めての使用日であり、二重にうれしい日となりました。
 バスを贈呈していただいたことにより、今後は、各種大会や遠征試合等において、移動方法の選択肢が増えます。部活動等は保護者の皆様のご支援に支えられていますが、バスの導入により、保護者の皆様の負担を少しでも軽減できれば幸いです。
 贈呈していただいたバスが、本校の体育文化活動の一層の充実発展に資することを祈念し、また、生徒と共に、大切に使わせていただくことをお誓い申し上げ、お礼の挨拶といたします。
 ありがとうございました。
                                                            

平成26年度 後期終業式 校長のはな

 人や人の集団である組織は、自分の有り様を反省して、一歩ずつ前進してゆくものです。この学校についていえば、学校評価アンケート、生徒諸君、保護者の皆さん、教職員に対して実施したアンケート結果が、自分たちの一年の有り様を反省する大切な材料となります。この学校に入学して良かったと肯定的に回答してくれた生徒諸君は90%、保護者は95%もいてくれる。大変ありがたい。これを限りなく100%にするのが私のつとめだと思っています。
 私の一年を振り返ると、失敗や不適切な判断もありました。台風などの接近時に学校を休みにするかどうかについては、君たちの安全を最優先にして適切に判断していきたいと考えています。また、卒業式の時の式辞で、第11期生の生徒の名前を読み違えるということをしてしまったので、このようなことのないよう注意を払っていきます。皆さんも、一年の自分の有り様をみつめて、次年度に生かしてください。

 平成26年度は、どんな年として記憶されるのだろうか。生徒会が常盤樹祭を開催し、演劇部が全国大会出場を決め、北校舎が完成し、体育文化後援会バスが購入された年であろうか。しかし、これらはあくまでも学校沿革の話。君たち一人一人が、かけがえのない一年の歴史を刻み、思いはすでに平成27年度に向けられているのではないだろうか。
 校舎に関して過去の話をしたい。東日本大震災で使えなくなった旧北校舎には、解体前に、桜の木が描かれた。
  平成25年2月10日に訪れた方は、一目みて感嘆の声を漏らし、つぎのような感想を述べている。
   北校舎の中庭に面した壁面に施されたその「オクリエ」は、ずっしりと太い幹と力強く伸びた根と、学生たちの手形で描かれた満開の桜の花びらが、その場所で過ごした学生たちの想いの全てを語っているかのようだった。胸がいっぱいになった。
 校舎は、ただの器ではなく、これから何年も何年も学び続ける生徒諸君の想いが記録される場所となる。⒋月に入学してくる第14期生とともに、新校舎に、最初に想いを記録する君たちが、大切に使ってくれるであろうことを期待する。
 私が第13期生の入学式で、又は年度途中に、君たちにお願いしたことを覚えているだろうか。本校が大切にしている言葉、「個性、自律、創造」の中の「自律」に関して、自律の心は、生徒諸君一人一人に求められるとともに、いわき総合高校生全体に求められることであると話をした。本校は、集会時に、教師や生徒司会者が「静かにしなさい」とは言わない学校である、とね。自らが、自分の意思で、話し手がマイクの前に立ったら、司会者が話を始めたら 静かになり、盛り上がるときは盛り上がる、そのような生徒諸君が集う学校でなければならないと強く思っています。このことをはじめて生徒諸君に話したのは、平成25年10月24日の校内文化発表会の日です。第12期生の何人かは覚えているかもしれない。あの時、私は特に、第10期生に話しかけた。そうして、私の話にうなずく生徒が多数いたのだ。皆、自分の学校にプライドを持ちたい。誇れる学校にしたいという思いを持っているのだと感じた。そして、本校はそれができる学校であるとね。
 さて、新しい年が始まる。第12期生・第13期生は、自覚を持って本校を引っ張っていってください。

平成26年度 第11回卒業証書授与式 式辞

皆様
福島県立いわき総合高等学校 平成26年度第11回卒業証書授与式は、多くの御来賓の皆様の祝福を受けて、とどこおりなく終えることができました。心より感謝申し上げます。
      平成27年3月1日
                                     

福島県立いわき総合高等学校長 吉田豊彦

             
福島県立いわき総合高等学校  平成26年度 第11回卒業証書授与式 式辞
 ただいま、全国総合学科高等学校長協会賞を受賞した小泉良空さんを代表とする第11期生234名に卒業証書を授与いたしました。この記念の日に、福島県議会議員 安部泰男様、PTA会長 大和田清様、同窓会長 佐久間均様をはじめとして、多数の御来賓の皆様方の御臨席を賜り、卒業生の前途を祝福していただけますことに、心より感謝申し上げます。 
 さて、栄えある卒業証書を手にされた生徒諸君、卒業、おめでとう。そして、第11期生の保護者の皆様に、心からお祝いを申し上げます。3年間、保護者の皆様からいただいた数々の御協力に対し、教職員を代表して感謝の意を表します。
 いわき総合11年目の今年、平成26年度は、「Restart!」の年、東日本大震災の影響で実施できなかった公開文化祭『第4回 常盤樹祭』を開催した年として記憶されることでしょう。常盤樹祭は、実行委員長 木口絵美子さん、生徒会長 鈴木千秋さんを中心に、実行委員会と生徒会執行部がリーダーシップを発揮し、すばらしい時間と空間を創造しました。
 私は、よく、「本校は、学びつつ表現する学校である。」という話をします。本校は、高大連携により協力をいただいている各大学の皆様はもとより、数多くの地域の皆様の協力を得て、生徒諸君が自らを表現する場を多数用意しています。学校のあるべき姿がここにはあるという考えは、一年たっても変わりありません。
 本校のキャリア教育、表現することの集大成である課題研究発表会は、12月13日(土)に開催され、正木里奈さんと佐川美穂さん、矢吹静華さん、吉居成美さん、そして富岡龍明君が、系列を代表して研究成果を発表し大きな拍手を受けました。音楽や演劇を専攻する諸君の卒業公演や美術・英語専攻の諸君の作品制作は元より、資格取得のための努力も活発に行われています。
 生徒会活動においては、髙岡望実行委員長を中心に開催された球技大会の規律と団結と熱気、多数の生徒諸君が参加したナイトハイク・スキー教室等々が思い出されます。生徒会役員諸君は、一年間、校門前に立ち、あいさつ運動を続けました。
 部活動やクラブ活動の活躍も見事です。演劇部は、高等学校演劇コンクールの地区・県・東北の全大会で最優秀賞を受賞し、8月に滋賀県で行われる全国大会に出場します。全国にいるあなた方のサポーターに心から感謝したい。琴部と写真部は、県を代表して第38回全国高等学校総合文化祭に参加しています。吹奏楽部は、甲子園で演奏し、県アンサンブルコンテストにおいて7年ぶりに県大会に進出し、第29回定期演奏会を成功させました。昨年、東北で戦ったハンドボール部やソフトボール部、昨年の秋季県大会においてベスト8入りした野球部、東北大会常連の陸上部、全国高校サッカー県大会において二次予選進出のサッカー部をはじめ、運動部団体競技は全て、今年度県大会進出を果たしています。後に続く第12期生も、陸上部は引き続き東北大会に出場し、ソフトボール部、バスケットボール部男女、ハンドボール部が地区大会を制するなど、先輩に負けない活躍をしてくれています。
 昨年東北大会に進出した家庭クラブは全国フラガールズ選手権に四年連続出場を果たし、JRC・インターアクト部は、国際ロータリー第2530地区インターアクトクラブ年次大会を成功させました。茶道部は二度の合同発表会でお手前を披露し、宝塚と共演した合唱の歌声が校内に響き、絵画やお花が校内に潤いをもたらしています。ボランティア清掃や善行に感謝するはがきや電話もうれしい一年でした。生徒会誌『ときわぎ』、いわき総合新聞、図書館報等の作成、体育館周りの草花・・・ありがとうございます。ボランティア精神に溢れる生徒諸君により、本校はまさしく学校らしい学校であります。
 さて、私は、君たちの先輩である第10期生に、「人を幸せにする知性」という言葉を贈りました。第11期生の君たちには、対の言葉として、「私(わたくし)を幸せにする知性」という言葉を贈りましょう。
 先月、ドイツのヴァイツゼッカー元大統領の言葉が、マスコミでたびたび取り上げられました。
 曰く「過去に目を閉ざす者は現在にも盲目となる。」 
 また曰く「重要なのは、鏡に映る自分たちの姿に何を見いだすか、だ。」
 彼は、第二次世界大戦におけるドイツの姿に関連してこれらの言葉を語ったのですが、どのような言葉も、自分に引き寄せて解釈することが大切です。過去に向き合うことはとても難しい。あれは私の責任ではなかったと思いたいことも多い。本校で3年間、目一杯の3年間を過ごした君たちであっても、そういうものは少なからずあるはずです。そういうものすべて、一見無駄だったと思われることも含めてのすべてが、立派に成長した君たちの今を形成しているのです。その自分に真正面から向き合い、周りの人々と共に、自分の意志で変えられる未来に立ち向かいなさい。変えることができるのは、まだ始まっていない未来なのです。そのような姿勢を持ち続けるならば、あなた方は、あなた方自身と周りの人々を共に幸せにする存在になるでしょう。
 私は、昨年、次のようにも語りました。
 「福島県の復興は始まったばかりであり、原子力利用を含めたエネルギーと環境の問題、少子高齢化と人口減、諸外国との関係等々、我が国には課題が山積しています。世界に目を向ければ、より大きな格差による貧困、衛生、食糧、教育の問題、国や民族間の紛争など、問題がたくさんあり、君たち一人一人が、それらの問題の所在を理解し、自らの判断により適切に行動することが、ますます重要になっています。」
 第11期生の皆さんは、今まで、保護者の皆様や学校に守られてここまでやってきました。今から踏み出す世界に比べれば、安全で安心な小さな小さな世界にいたわけです。勇気をもって一歩を踏み出すあなたたちに、福島県や日本、世界の未来をゆだねましょう。
 いわき総合高校も、皆さんとの3年間を振り返り、今の姿に真摯に向き合い、変えられる未来に向けて前進してまいります。皆さんが、プライドを持って本校を語り続けられるように。
 皆さんの学び舎であった仮設校舎も二か月後にはなくなり、仮設校舎があった場所では、後輩の諸君がサッカーボールを追って汗を流していることでしょう。4月からは、新北校舎が後輩たちの学び舎となります。仮設校舎は消えるけれども、ここがあなたたちの成長の場所であったこと、あなたたちの今を作った場所であることには変わりありません。
皆さんの前途を心から祝します。
   平成27年3月1日                                       
福島県立いわき総合高等学校長 吉田豊彦
 
付:  平成25年度 第十回卒業式 式辞(webアップ用).pdf 

第4回常盤樹祭へようこそ

 平成26年10月26日(日)、 本校は公開文化祭 第4回常盤樹祭を開催しました。25日(土)には、開会式、校内発表会に続けて、仮装した本校生が内郷地区内を練り歩き、公開文化祭をアピールしました。
 おかげさまで、ものすごくたくさんのお客様に来ていただきました。、秋晴れの一日、総合学科の文化祭を楽しんでいただけたのではないでしょうか。
 お客様には駐車場の確保が出来ず、ご不便をおかけしました。近隣の皆様には、準備期間を含めて温かく見守っていただいたこと、心より感謝申し上げます。
               

      第4回常盤樹祭にご来場の皆様へ 平成26年10月26日(日)    

                                いわき総合高等学校長 吉田豊彦

 ご来場の皆様、いわき総合高等学校へ、ようこそお出でくださいました。
 本校は、平成16年度に福島県立いわき総合高等学校となり、明くる年の平成17年度に、新校歌にちなんだ名称を冠し、第1回常盤樹祭を開催しました。
 3年に一度の常盤樹祭、その第3回は東日本大震災の年、平成23年度に予定されていましたが、一般公開を断念しました。その結果、第8・9・10期生が、公開文化祭を行うことなく卒業していきました。第9期生の長谷川洋子さんとその仲間たちが復活の呪文を探し求め、歴代の生徒会の諸君が思いを繋いでくれました。今だ仮設校舎で学ぶ第11・12・13期生であり、それ故に制限も多かったのですが、実行委員長 木口絵美子さん、生徒会長 鈴木千秋さんを中心に、生徒一丸となって準備に当たり、今日を迎えることができたのです。
 伝統ある本校の文化祭は、昭和25年、内郷高等学校3年目の年まで遡ることができます。昭和41年、いわき市誕生の年、現在の地への校舎移転の完成を期して、第1回内高祭が開催され、以後、連綿と歴史を重ねてきました。平成に入ると、3万6千本の空き缶壁画(平成元年)を皮切りに、折り鶴、ベニヤ板、手形による巨大アートの伝統が続きました。第1回常盤樹祭では、20年ぶりに仮装行列を復活し、創造性に溢れた校門アーチがお客様を迎えました。校名が変わり、校歌が変わり、生徒や先生方が変わりつつも、生徒会、文化祭実行員会の諸君は、本校の歴史と伝統を踏まえて、先に進もうとしています。
 PTA会長大和田清様はじめ、PTAの皆様には、バザーや模擬店の出店等を含めて大変お世話になっています。この場を借りて、心より御礼申し上げます。
 第1回常盤樹祭のスローガンは、「Ready Steady Go」でした。復活の今回は、「Restart!」です。クラス企画等を大いに楽しんでいただくとともに、人文国際・芸術表現・スポーツ健康・生活福祉系列等の学びの成果、委員会・文化系部活動・クラブ・同好会・有志団体の展示物や舞台発表等によって、本校生の力を感じ取っていただければ幸いです。

後期スタートとホームページリニューアル

皆様
 保護者の皆様には、台風18号が通過した10月6日(月)には、生徒の送迎等ご対応いただき、ありがとうございました。心より感謝いたします。
 皆様には、今、10月1日(水)にリニューアルしたホームページを見ていただいています。2年次は、本日7日(火)より修学旅行中ですが、教頭先生が、沖縄から、旅行団の動静を発信しています。
 新しいホームページは、福島県教育センターが推奨しているNetCommonsによって運用されています。新しいホームページにおいても、これまで同様、本校の生徒の活躍と先生方の教育活動を積極的に発信してまいります。
 さて、後期がスタートしました。本校は、9月30日に、賞状伝達式と前期終業式を実施し区切りとしています。
              

  平成26年度 前期終業式 校長のはなし  平成26年9月30日

 ただいま、賞状伝達式を行ました。
 努力して各種賞を受賞し、検定試験に合格した生徒諸君の努力を、心から讃えます。
 今一歩のところで受賞を逃した皆さんも、その努力の価値は讃えられるべきものであり、また、賞とは関わりなく、授業、生徒会活動、部活動・クラブ活動等、勉学に励み、ボランティア活動に汗を流し、学校全体のために努力している生徒諸君の労を心からねぎらうものです。
 709名で平成26年度をスタートした本校は、生徒諸君と先生方の努力で、無事、前期の日程を終えることができました。明日から、時を置かず後期が始まりますが、後期には、2年次の修学旅行、6年ぶりの公開文化祭、課題研究発表会等々大きな行事が目白押しです。
 このようなときこそ、生徒諸君の自律的な生活の営みが大切です。就職試験、進学試験の真っ只中にある11期生、修学旅行を控えた12期生中心に、一人一人が、いわき総合生としての自覚を持って行動してください。
 とりわけ、常盤樹祭については、平成23年度の開催予定が、震災の影響で取りやめになったことにより、8期生、9期生、10期生が、公開文化祭を行うことなく卒業していきました。第9期生の長谷川洋子さんとその仲間たちが探し求めた、復活の呪文は、あなたたちの手で現実の力を持つことになったわけです。

 いわき総合の公開文化祭を全く見ていない生徒会役員、実行委員の皆さんにとっては、難しい課題がたくさんあるでしょうが、先生方と協働して、多くの来場者に、あなたたちのすばらしい姿を見せてください。
 心から期待しています。

入学式式辞

 いわき総合高等学校は、4月8日(火)に着任式・始業式を行い新年度が始まりました。9日(水)には入学式を行い第13期生240名を本校に迎えました。10日(木)の新入生歓迎会は、生徒会・家庭クラブ役員を始めすべての部が新入生を歓迎する気持ちを表現し、いわき総合の面目躍如たる企画とパフォーマンスでした。保護者の皆様や地域の皆様に見ていただきたかった!
 今年度は、10月26日(日)に、震災後初の公開文化祭を予定していますので、地域の皆様には本校に足を運んでいただいて、本校生徒の表現力をご覧いただきたいところです。
 いわき総合は、今年度も元気に、地域の皆様に愛される学校でありつづけるよう努力してまいりますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

福島県立いわき総合高等学校 平成26年度第13期生 入学式 式辞

 本日ただいま、福島県立いわき総合高等学校 第13期生240名の皆さんの入学を許可しました。皆さんの入学を教職員並びに在校生とともに心から歓迎します。
 この良き日を、福島県議会議員 安部泰男様、PTA会長 塩澤秀介様、同窓会長 佐久間均様はじめ、多数のご来賓の方々にお祝いいただけること、心より感謝申し上げます。
 保護者の皆様におかれましては、お子様の本校へのご入学、まことにおめでとうございます。これからの3年間、よろしくお願いいたします。
 さて、いわき総合高等学校は、昨年10周年を迎えた若い学校です。しかし、その歴史は、大正3年の「内郷村立農業補習学校」にまでさかのぼり、昭和23年に始まる福島県立内郷高等学校56年の歴史と伝統を引き継ぎ、今日に至っています。この10年間、本校は、いわき地区内唯一の総合学科高校として着実な歩みを進め、地域の皆様に愛される存在となりました。新入生の皆さんは、義務教育の全ての課程を修めた後、自らの意志で本校総合学科を選択し、自らの力でⅠ期選抜又はⅡ期選抜試験を突破し、本校での学びに夢と希望を抱き入学しました。
 本校の校是、学校で最も大切にしていることば、それは、「個性、自律、創造」です。この3つの言葉を、しっかり胸に刻んでください。
 まず、「個性」。本校は、生徒一人一人が夢にチャレンジし、個性の輝きを競う学校です。個性的であるには、他とは異なる自分を肯定し恐れない強い精神が必要です。独善的にならないためには自分を客観視できなければならないし、不断の努力なしには自信は生まれません。個性的であるためにこそ、他と同じ事を、愚直に地道に真面目にやり続けることが必要であり、はじめから他と異なろうとするふわふわした日常の先に個性はないといえます。皆さんは、1年次において、自己理解とライフプランづくりに集中し、100を超える選択科目の中から、一人一人の興味・関心や進路の目標に応じて、自分の責任で受講する科目を選択します。つまり、理想の自己像や目標を作り、その目標達成のために、様々な活動を継続することにより、個性を磨いていく学校なのです。
 次に、「自律」とは、自分自身で定めた規範、約束事に従って、自らを規制しながら行動することです。自ら目的を選び、その目的を達成するための手段もまた、自らが選ぶことであります。自律の心は、生徒諸君一人一人に求められるとともに、いわき総合高校生全体に求められることです。例えば、本校は、集会時に、教師が「静かにしなさい」とは言わない学校です。自らが、場の状況を認識し、盛り上がるときは盛り上がり、静かにすべき時には静かにできる、そのような生徒諸君が集う学校なのです。
 最後に「創造」です。総合学科では、自ら課題を設定し、計画を立ててその解決を図る方法を学びます。そして、学んだことを表現する場を多数用意しています。この一連の流れが創造です。
 皆さんは、アリとキリギリスの話を知っていますね。キリギリスはセミである場合もあります。夏の間、アリはせっせと働き、キリギリスは、ひたすら歌い続ける。冬になり、キリギリスは食料がなくなり、アリに「食べるものをください。」と言いに行く……。その結末には何種類かのバリエーションがあり、それにより、アリやキリギリスの行動の価値や解釈も変わります。誤解を恐れずにいえば、本校は、あなたたち一人一人に、アリであり、かつ、キリギリスであることを求める学校です。地道に学ぶ時間は、進学や就職、その先の人生のための備えとして大切ですが、高校時代の3年間は、それ自体が価値あるものであり、私たちは、皆さんに、今ここでの燃焼をも求めるのです。あなた方一人一人が、仲間から喝采を受ける創造的な存在であり、別の日には仲間に喝采を送る存在なのです。
  東日本大震災・原子力発電所事故から3年が経ちましたが、未だに不自由な生活を余儀なくされている方々が多数いらっしゃいます。あなたの隣にもいます。共感の心を大切にしてください。本校も被災し、教室があった北校舎は建て替え工事中で、生徒の皆さんは、ほほ1年間、仮設校舎での不自由な生活が続きます。できる限りの環境整備に努めてまいりますが、皆さんの協力をお願いします。
 新入生の皆さんには、これからの福島の復興や未来の社会の担い手となることが期待されています。どうか、喜びのこの日を心に刻み、様々な体験を通して自己を磨き、自らの手で豊かな高校時代を作り上げていってください。
 結びに、PTA、同窓会、体育文化後援会の皆様、そして地域の皆様には、これまでの本校への特段のご支援に感謝申し上げるとともに、今後とも変わらぬご協力をお願いし、我々教職員一同、いわき総合高等学校第13期生240名の生徒諸君の本校での生活が実り多いものになるよう努力する事をここに固く誓い、式辞といたします。

 平成26年4月9日
福島県立いわき総合高等学校 校長 吉田豊彦

第9期生卒業証書授与式式辞 平成25年3月1日

ふくしま宣言の推進者

 

本校ホームページにアクセスいただきましてありがとうございました。

去る、3月1日に平成24年度 第9回 福島県立いわき総合高等学校の卒業証書授与式を行いました。その時の式辞を掲載します。

 

3年次生のみなさん、卒業おめでとう。ただいま、236名のみなさんに卒業証書を授与し、いわき総合高等学校、総合学科の全日制課程の修了を認定しました。

湯ノ岳から吹き下ろす風にも春の兆しを感じる今日このごろ、解体する北校舎には、

皆さんの卒業を祝うかのように満開の桜並木が描かれています。

このよき日に、福島県議会議員 安部泰男様をはじめ、ご来賓の皆様方のご臨席を賜り、平成24年度 第9回 福島県立いわき総合高等学校の卒業証書授与式を挙行できますことは、まことに喜ばしい限りであります。

 東日本大震災により被害を受けた皆様には、大変なご苦労を乗り越え、この日を迎えられたことと思います。また、お子様の成長を願い、深い愛情を持って、育んでこられましたご家族の皆様におかれましては、感慨もひとしおかと、ご推察申し上げます。これまでの間、本校のために多大なご支援、ご協力をいただきましたこと、全教職員を代表いたしましてここにあらためて感謝申しあげます。ありがとうございました。

そして、これまで、多くの示唆をいただきました関係機関及び地域の皆様方に対し、敬意と感謝の意を表します。

さて、あの東日本大震災からまもなく2年が経とうとしています。本日卒業する第九期生が2年生となる直前でした。当時の学校生活は、南校舎へ一時避難し、その後、体育館を間仕切った教室での授業が7月まで続きました。劣悪な学習環境の中、君たちは、勉強に部活動に精一杯頑張りました。毎日の生活が不安、家族が心配、学習環境も劣悪という逆境の中、君たちは、1年次に設定した将来への目標に向け、迷うことなく勉学に励み、進路の目標を達成することができました。

このような中、君たちは、先輩を支え、後輩をまとめ、校内の活動を推進してくれました。君たちは、体育館、校舎などの使用が制限される中、毎日部活動に励み、東北大会や県大会等に参加・出場し、各種大会で優秀な成績をあげました。そして君たちは、被災に負けない本校生の「姿と力」を示し、さらに新しい本校の伝統を築いてくれました。君たちの築いたこの伝統は、来年度いわき総合高校10周年として結実することとなります。

さて、昨年の3月11日、佐藤知事による「ふくしま宣言」が全世界に向け発信されました。一部読み上げます。

 

「地震・津波という自然災害に始まり、原子力災害さらには風評被害、人類がこれまで経験したことのない、このような多重の災害が、なぜ起きてしまったのか、私たちはしっかりと考えなければなりません。」「自然の脅威に対する十分な備えができていたか」「科学技術の力を過大に評価していなかったか」「原子力を扱うことの難しさと正面から向き合ってきただろうか・・」、これらの問いの中に、未来への大切な教訓があるはずです。

 

総合学科で学んだ君たちは、まさにこの宣言の推進者であります。なぜなら、1年次で必履修科目を学び、2年次では専門性の基礎作り、3年次では、発展科目により、専門性を高めました。さらに課題研究を通して、課題を設定し、その解決を図る力を培ってきたからです。「自然災害・科学技術・原子力・社会づくり」をキーワードにしたこれらの「問い」の解決には、「今、ここで何が課題か」、そして「どのように解決するのか」という判断が要求されます。今まさに、選択した科目での主体的な学びと課題研究の成果が実践される時です。現実社会における課題は見えにくいものですが、身近に課題を求め続け、そして課題解決のために行動を起こしてください。多くの人に出会い、自分を変革し、地域の人と交流し、地域社会の担い手となることを期待しています。

結びになりますが、卒業する第9期生の健康と幸多い前途を祈念し、いわき総合高等学校のさらなる発展と飛躍をご参会の皆様にお誓いし、式辞といたします。 


平成25年3月1日 福島県立いわき総合高等学校長 目黒 憲

「世界を広げる」 平成24年12月26日

「世界を広げる

  本校ホームページにアクセスいただきましてありがとうございます。
  本校は東日本大震災により、北校舎(生徒教室・調理実習室・介護実習室)が使用不能となり、昨年8月末からグラウンドに設置した仮設校舎等で授業を実施しています。はじめに、今後の校舎改築等について、お知らせします。
 7月の被災度区分判定を受け、北校舎は改築と決定しました。何度かの県関係部局との協議を経て、解体工事が平成25年3月から始まり、建設工事は、平成25年7月~平成26年11月上旬というスケジュールが提示されました。現在は、仮設倉庫の設置工事がグラウンド北側で行われています。同時進行で本校舎では、1月から、調理・介護実習室改修工事、具体的には、南校舎会議室を調理実習室に改修、同窓会館に介護設備を設置する工事が始まります。したがいまして4月からは、学習指導要領改訂に伴う新教育課程が本校施設内にて実施できることになります。保護者の皆様には大変ご心配をおかけしました。
  さて、今年も総合学科恒例の研究発表会・教育文化講演会が12月15日(土)に開催されました。教育講演会は、アクアマリンふくしまの中野康元(なかのやすし)氏と岩田雅光(いわたまさみつ)氏による「アクアマリンふくしまにおける震災からの復興とグリーンアイプロジェクト(シーラカンスの調査研究)の取り組みについて」でした。講演後、「なぜ、アクアマリンでシーラカンス研究なんだろうか?」について、岩田氏から興味深いお話を伺いました。シーラカンスの研究は、アクアマリンの設置と大いに関係があるとのこと。いわきに設置するので、いわきならではの水族館にしたい、日本に一つしかない水族館にしたいとの想いがあった。そこで、いわき=化石(スズキフタバリュウ・石炭化石館)というイメージから、進化を取り上げる日本で唯一の水族館が誕生したとのこと。開設当初からシーラカンスの研究を続け、今では、世界的レベルの研究となっているのだそうです。さらに、館長の安部義孝さんは、以前務めていた上野動物園で展示に携わった時、シーラカンスについて知りたいと思っていたこと。岩田さんも、以前務めていた読売ランドで、日本で始めてシーラカンスの標本を展示した経験があることも関係しているようです。
  続いて、研究発表会、テーマ『世界を広げる』では、4人の発表がありました。3年6組の亀岡菜摘さんのテーマは、『日本の食料自給率』についてで、「TVでフードアクション日本について知り、もっと知りたい」という気持ち。3年1組の高橋宏和さんのテーマは、『Good-byeストレス~呼吸法を用いたリラックス法~』についてで、「身の回りはストレスであふれているなんとかしたい、心のコントロールを知りたい」という気持ち。3年5組の小野夏子さんのテーマは、『陸上競技における試合で勝つためのトレーニング』についてで、「中高6年間取り組んでいる部活動の成果が出ない、なんとかしたい」という気持ち。3年4組の廣瀬玲菜さんのテーマは、『個展を開くためのイラスト制作』についてで、「イラスト制作していて、色彩について知りたい、追求したい」という気持ち。各人の「知りたい」という想いや課題意識が1年間の研究を支え、見事なプレゼンテーションとなりました。奇しくも、シーラカンスの調査研究に携わっている、安部館長と岩田さんが、シーラカンスのことを「知りたい。知りたいとずーっと思っていた。」ことを知り、本校の課題研究に取り組んだ生徒が世界的レベルの研究に進んでいくことを期待する一日でした。

平成24年12月26日 福島県立いわき総合高等学校

校長 目黒 憲

仮設校舎での1年 平成24年7月27日

仮設校舎での1年

   本校ホームページにアクセスいただいきましてありがとうございます。
 3.11東日本大震災の影響で、昨年は8月に人事異動があり、また、8月24日に校庭に仮設校舎が設置され、まもなく1年となります。被災あるいは原発事故で、いまだに避難を余儀なくされている方々には、心よりお見舞い申しあげます。
 7月20日の終業集会では、「1年前のことを覚えていますか」と生徒に問いかけました。体育館を間仕切りにした教室で生活していたこと、学校行事や部活動が計画通りに実施できなかったことなどを思い出してもらいました。現在は、仮設校舎とはいえエアコンが設置された教室で快適に授業に取り組んでいます。
 さて、新年度になり4ヶ月が経ちました。この間の生徒の活躍や課題について振り返ってみます。
 各種大会では、高校体育大会・総合体育大会・野球選手権大会そして各コンクールの地区予選会など、生徒たちは日頃の練習の成果を発揮してくれました。特に、印象に残ったことに、大会前にコートの復旧工事が入ったテニス部、大会直前にインフルエンザが流行したバスケットボール部、5月20日に「創造的復興教育フォーラム」(文科省委託事業)の一環として文部科学省の講堂で、震災と原発事故をテーマにした創作劇「ファイナルファンタジーフォー3.11」を公演した演劇部のことがあげられます。毎日の練習とは条件などが変わったことから、それぞれに練習計画や練習方法を工夫し、できることに精一杯取り組み、よく頑張りました。
 年次ごとに振り返ってみます。
 1年次では、遠距離通学生も多い中、登下校の時間にあわせた生活習慣が確立しました。また、新しいクラスメイトとの関係づくりも、概ね確立したようです。5月~7月のコミュニケーションワークショップにより、ゲームの課題をクラス全員で共有し、相互に理解を深めつつ、わかり合うことができたようです。講師の先生からも各クラスとも成長があったとの評価をいただきました。一大イベントは、科目選択です。「自己理解」と「進路」について、とことん追求しましたした。上級生の授業見学を行い、シラバスを研究し、科目選択をしました。相当悩んだことだと思います。悩んで悩んで自ら決定したその過程は、これからの学習や生活に大きく影響してきます。「自分で決めたことは自分で責任をとる。」という本校生の基本姿勢が身に付きました。今後は、進路希望をより明確にするために、「上級学校理解」と「職業理解」に取り組むこととになります。
 2年次は、1年前、入学直後から年次6クラスが揃わない状態で7月まで過ごしました。そのような経験をしながら現在まで長欠者を一人もださずにこの7月を迎えました。これもクラスの団結・年次の団結があったからだと思います。特に、昨年内町小学校で生活していた3組が球技大会で全校総合3位になったことは、大変喜ばしいことです。また、2年次の大きな成果は、進路目標を明確にした生徒が多く出てきたこと、さらに校内での学習に取り組む積極的な姿勢が見られてきたことです。受験を制するコツは、クラスや年次で学習に取り組むことだといわれています。さらに多くの生徒が団体戦に加わることを期待しています。部活動では、3年次生の引退後、2年次生がリーダーとなって活動しています。1年次生に対し先輩として、技術指導はもとより総合学科での学びや様々な悩みの相談にのっています。本校の歴史は、3年次生から2年次生そして1年次生へ確実に繋がっています。
 3年次は、まさに求人活動のまっただ中です。求人票が公開され、希望職種・会社の検討と会社見学、保護者をまじえ三者面談を行い、いよいよ就職活動がスタートしました。顔つきが変わり、生活が変わり、それぞれの目標に向かい就職活動が充実してきました。また、過日、ある専門学校のAO入試の手続きの書類が回ってきました。大学等の試験もスタートしたことを実感しました。進学の団体戦が始まり、互いに刺激し合い学んでいます。「3年間の学びの成果」と「やりたい仕事や勉強」を確認し、具体的に準備に入ったようです。保護者もみなさまからの応援もよろしくお願いします。
  それぞれの年次で、夏季休業前までの課題を概ね克服していることが確認でき、安心しました。夏季休業後に、生徒全員が元気に登校することを願っています。

平成24年7月27日 福島県立いわき総合高等学校
校長  目黒 憲

校是「個性 自律 創造」 平成24年4月13日

校是「個性 自律 創造

  本校ホームページにアクセスいただきありがとうございます。
 4月10日に平成24年度入学式を挙行し、新たに11期生240名を迎えました。本校は、来年度が10周年となる若い学校であります。しかし、その歴史は大正三年開校の「内郷村立農業補習学校」までさかのぼります。昭和二十三年の学校改革により、前身の「福島県立内郷高等学校」となり、平成十六年の校名変更まで、内郷高校56年の歴史と伝統を引き継いでいる学校であります。
  本校の特色と生徒が本校でやるべき事は、本校の校是に示してありますので紹介します。
 それは、「個性 自律 創造」です。「個性」とは、自己理解と自分像づくりのことです。本校では、6つの系列を設け、100を超える選択科目の中から、一人ひとりの興味・関心や進路の目標に応じて自分で科目を選択することができます。つまり、生徒は、自分自身を理解し、理想の自分像や目標を作り、その目標達成のために科目を選び、責任をもって学習を継続することにより個性を磨いていくことになります。
 次に「自律」ですが、自分で決めたことに責任を持ち、その達成のために、規律やルールを決め、計画を立て、自らを規制し行動していくということです。
  最後に「創造」です。理想の自分像や目標は無限です。生徒は、なりたい自分のイメージから人生の目標を設定し、総合学科ならではの「学び」を最大限に生かし、力を蓄えていきます。そして、将来、誰もやらなかったことに挑戦したり、価値ある新しい物を作り出していくという期待が込められた言葉です。まさに、これからの福島の復興や未来創造の担い手となることを願った言葉です。
 4月9日の始業式では、校是「個性 自律 創造」について話しをし、新年度のスタートを切りました。10日の入学式でも同様に式辞の骨子とし、新入生に本校での生活の決意を促しました。年度末の人事異動で定年退職者1名、転出者9名を送り出しましたが、4月2日には、新たに9名の教職員を迎えました。その際、学校経営・運営ビジョンに「『総合学科の特色を生かした教育の推進』、開校10周年を節目に総合学科の更なる充実を図り、生徒の個性を尊重した教育活動を教職員が一致協力して展開します。」と明示し、今年度の教育活動の取り組みを確認したところです。
 残念なことに被災が大きい北校舎は、建て替えの可能性が高く、仮設校舎での生活が今しばらく継続することになりそうです。本校を含め福島県は、復興が緒に就ついたばかりです。これからの復興の道のりを歩んでいくためには、学校・家庭・地域が一体となった教育活動を実践していかなければなりません。関係各位の力強いご支援を切に願うものであります。


平成24年4月13日 いわき総合高等学校
校長 目黒 憲

「ふくしま宣言の推進者としての学び」 平成24年3月19日

「ふくしま宣言の推進者としての学び」


  本校ホームページにアクセスいただきありがとうございました。
 平成23年度の終業式を迎えました。今年度は、被災地・被災校である私たちにとって、人生のなかでも忘れることのできないつらい・きびしい1年として記憶に残ることと思います。東日本大震災は、地域や私たちの生活を根こそぎ奪い、多くの被害をもたらしました。本校生も家屋が全壊または半壊した生徒が41名、転出した生徒が16名・転入した生徒が22名います。そのような中、亡くなった生徒や保護者がいなかったことだけが幸いでした。震災・津波に加え原発事故も発生し、現在も避難・移住生活をされている人が多くいます。あらためてお見舞い申し上げます。
 震災から1年が経ち、3月11日に政府主催復興追悼式では、野田首相が原発事故に触れ「福島を必ずや再生させる」と誓いました。
 また、本県では福島市で「3・11ふくしま復興の誓い2012」が開催され、佐藤知事により、「ふくしま宣言」が全世界に向け発表されました。一部抜粋して掲載します。

  「地震・津波という自然災害に始まり、原子力災害さらには風評被害、人類がこれまで経験したことのない、このような多重災害が、なぜ起きてしまったのか、私たちはしっかりと考えなければなりません。
  「自然の脅威に対する十分な備えができていたか。」「科学技術の力を課題に評価していなかったか。」「原子力を扱うことの難しさと正面から向き合ってきただろうか。」これらの問いの中に、未来への大切な教訓があるはずです。
 私たちは、科学技術の力を過信することなく、自然の持つ力の大きさをもう一度しっかりと心に刻み、全ての人が安心して暮らせる社会づくりを進めていきます。
 そして、二度とこのようなことが起きないよう、県内の原子力発電所を全て廃炉とするよう求めながら、再生可能エネルギーを推進し、原子力に頼らずに、発展し続けていくことができる社会を目指します。

  このように佐藤知事が宣言しましたが、推進の主体者は、「私たち」となっています。知事が宣言し、つまり県の行政が中心となり進める。しかし、県の行政だけではできない。市町村の行政も民間の力も地域の力も、そして何より、未来を担う若い力、これからの社会を創っていく若い力、被災者である私たち、なんとかしたいと切実に願う当事者である被災地の若い力が必要であると訴えているのだと感じました。
  現在の本校生一人ひとりの力は小さく・弱いかもしれない。しかし、社会を変えていく大きな力を秘めている。高校時代にできることをしっかりやり、これからのふくしまの復興や未来の社会を創造しなければなりません。そこで、本校生が今やらなければならないことは、何か、考えてみました。
それは、本校総合学科ならではの『学び』を最大限に生かし、力を蓄えることです。
  新2年次生では、総合選択科目の基礎科目による専門性の基礎作りをしっかりと行い。新3年次生では、総合選択科目の発展科目により、専門性を高めることです。さらに、課題研究を通して、総合学科ならではの「学び」を追求しなければなりません。それぞれの興味・関心により、課題を設定し研究に着手することになりますが、その際に、「ふくしま宣言」にもあったように、『自然・科学技術・原子力・社会づくり』をキーワードに研究を進めることを期待するものです。そして「ふくしま宣言」の推進者となることを願うものです。ふくしまの復興、未来社会の創造に貢献できる力を蓄え、社会に出したいと願っています。そのために学校では、必要な「課題設定力」と「課題解決力」を身に着けることができる研究や学習を進めていきます。「全ての人が安心して暮らせる社会」「発展し続けていくことのできる社会」づくりの中心となることができるよう、上級年次での「総合学科ならではの『学び』」を計画し、新年度の準備をしているところです。


平成24年3月19日 いわき総合高等学校
校長 目黒 憲

第8期生卒業証書授与式式辞 平成24年3月1日

持続可能な未来の構築

 本校ホームページにアクセスいただきましてありがとうございました。
  さる、3月1日に平成23年度 第8回 福島県立いわき総合高等学校の卒業証書授与式を行いました。その時の式辞を掲載します。

 本日ここに、福島県議会議員 安部泰男様をはじめとして、ご来賓の皆様方のご臨席を賜り、平成23三年度 第8回 福島県立いわき総合高等学校の卒業証書授与式を挙行できますことは、まことに喜ばしい限りであります。
 まず、この度の東日本大震災により被害を受けた皆様に心よりお見舞い申しあげます。また、本校教育活動へのご支援ご協力に対しまして厚く御礼申し上げます
 ただいま栄えある卒業証書を手にされた生徒諸君、卒業、おめでとうございます。
 また、お子様の成長を願い、深い愛情を持って、育んでこられましたご家族の皆様におかれましては、感慨もひとしおかと、ご推察申し上げます。これまでの間、本校のために多大なご支援、ご協力を賜りましたこと、全教職員に代わりましてここにあらためて感謝申しあげます。ありがとうございました。
そして、これまで、多くの示唆をいただきました関係機関及び地域の皆様方に対し、敬意と感謝の意を表します。ありがとうございました。
 さて、本校は、昨年4月11日の余震で被災しました。本日卒業する第8期生が新年度を迎えたばかりの時でした。4月下旬から南校舎へ一時避難して授業を行い、その後、体育館間仕切り教室で7月まで生活をしました。劣悪な学習環境の中、君たちは、勉強に部活動に精一杯頑張りました。毎日の生活が不安、家族が心配、学習環境も劣悪という逆境の中、学校へ、教室へ、部活動へ、諸君を駆り立てた「何か」確実に成長しました。
 このような中、3年生が学校の中心となり、校内の活動を推進してくれました。君たちは、体育館、校舎などの使用が制限される中、毎日部活動に励み、全国大会や東北大会等に参加・出場し、各種大会で優秀な成績をあげました。被災に負けない本校生の「姿と力」を示してくれました。新しい本校の伝統を築いてくれました。本当にありがとう。
 今、世界に目を向ければ、地球環境問題、貧困・格差問題、利潤追求に偏った経済問題などさまざまな課題解決に迫られ、君たちには「持続可能な未来の構築」が求められています。
 総合学科で学んだ諸君は、「産業社会と人間」「総合的な学習の時間」「課題研究」で培った「課題設定力」と「課題解決力」を活用し、これらの課題を解決していかなければなりません。
 諸君は、明日の世界を担う人たちです。私たちが残せた良いものを受け継ぎ、私たちが残してしまった過ちや負の遺産を乗り越えることができます。課題研究や毎日の活動を通して身に着けた「主体的な学び」を実践し、常に「疑問と驚き」の視点を持ち、これからも「知ること」に貪欲になってください。
 環境と社会と経済の問題は、つながりとかかわりがあります。そして世界的なひろがりと地方的な深まりがあります。今日・明日に答えは見つからないでしょう。就職する人、進学する人、進路は様々ですが、身近に課題を求め続け、探し続けてください。そして課題解決のために行動を起こしてください。身近な活動に参加してください。多くの人に出会い、自分を変革してください。地域の人と交流し、地域社会の担い手となってください。「持続可能な未来の構築」は君たちの双肩にかかっているのだから・・・。
 結びになりますが、卒業する第8期生の健康と幸多い前途を祈念し、いわき総合高等学校のさらなる発展と飛躍をご参会の皆様にお誓いし、式辞といたします。


平成24年3月1日 福島県立いわき総合高等学校 
校長 目黒 憲

学びは「疑問と驚き」から 平成23年12月26日

学びは「疑問と驚き」か

  本校ホームページにアクセスいただきましてありがとうございます。
 いろいろなことがあった平成23年。まもなく今年も終わろうとしています。先日(12月16日)、野田首相の原発事故の第二ステップ収束宣言が報じられましたが、本校は被災地・被災校として、大変な9ヶ月間でした。7月までは体育館の間仕切り教室での授業、そして8月からは仮設プレハブ校舎での授業と目まぐるしく学習環境が変わりました。そのような中、生徒はよく頑張りました。
 さて、12月17日(土)には、総合学科としての年間のまとめである研究発表会を開催しました。1・2年次生の発表、そして3年次生4人の課題研究発表から、この1年間の取り組みの成果が、十分に伝わってきました。また、全体発表にはならなかった他の課題研究等も年次全体でしっかり取り組めたという報告を受けています。
 3年次の発表ですが、「妖怪伝説~人魚の謎から」(日本の民話に人魚の話があること)、「水中から陸上へ(骨の形成)」(進化の過程のヒントをオタマジャクシからカエルへの生体形成に着目したこと)、「新型うつ病の考察」(新型うつ病がゆとり教育の関係あるのではと疑問を持ったこと)、「マイクロソフトの歴史」(日常よく目にするマイクロソフトって何!と疑問を持ったこと)と、それぞれに質の高い学び・研究ができたと感心しました。日頃の「疑問と驚き」が、年間を通した学びに発展し、さらに研究の成果としてまとめ上げ、全校生の前で発表できる内容までに磨かれました。
 社会に出て、何をやるにも、そのときの「今、ここで何が課題か」、そして「どのように解決するか」という判断が要求される場面に遭遇します。つまり「課題設定力」と「課題解決力」が必要となるのです。1年次の「産業社会と人間」、2年次の「総合的な学習の時間、プレ課題研究」、そして3年次の「課題研究」で培った学びの姿勢が、間違いなく将来の人生に生きてくると私は確信しています。  
  生徒は、明日の世界を担う人たちです。私たち年上の者が、この世を去った後も、生徒は生き続けて、私たちが残せたよいものを受け継ぎ、私たちが残してしまった過ちや負の遺産を乗り越えてくれることを願っています。そのためにも高校時代には、少しでもいいからいろいろなことに興味を抱き、「疑問と驚き」の視点を持ち、「知ること」にどん欲になってほしい。課題研究や毎日の活動を通して、主体的な学びを身につけることを期待しています。
 夏休み明けの部活動等団体の成果をまとめてみました。9月、いわき地区新人ソフトボール大会第一位、全日本吹奏楽コンクール東北大会銀賞。10月、いわき地区新人ハンドボール大会男子第一位、県高校駅伝競走大会男子第3位、女子第3位、県家庭クラブ研究発表会学校家庭クラブの部優秀賞、いわき地区演劇コンクール最優秀賞。11月、東北高校駅伝競走大会、男子第7位、女子第9位、県演劇コンクール最優秀賞。12月、東北高校演劇発表会、優秀賞第一席。このように後期もいわき総合高校生の「姿と力」示すことができました。
これもひとえに保護者、関係者の皆様の御支援があったからと心より感謝しております。
 演劇部は、12月17日の東北高校演劇発表会で優秀賞第一席(2位)の成績でした。惜しくも全国大会への参加はなりませんでしたが、「原発事故をファンタジーにした公演」が評判となり、10月に神戸公演、12月21日~23日に東京公演、3月2日~4日に福岡公演が実現しました。国民の想い、福島県民の想い、被災地の想いを多くの方々に伝えています。
 震災直後には、緊急時支援物資を多くの方から御支援をいただきました。ありがとうございました。さらに、8月以降は、復興支援物資として全国各地の方々から御支援賜りました。8月には、大阪在住の岡田様から箏17弦一面、11月には亜細亜大学東日本大震災支援委員会様から加湿器31台、合同会社ビーシーアシストAIZU様からパソコン2台とプリンター1台、12月には、酣春会様から三味線2棹と和太鼓1台、日本教育情報機器(株)様からプリンター一式を支援品として寄贈いただきました。この場をお借りしまして御礼を申しあげます。
  懸案となっていました調理実習は、いわき翠の杜高校実習室をお借りして実施できました。ALTも米国から到着し、1月から授業に参加する予定です。年末を迎え、例年に近い教育活動の見通しが立ち、ほっとしております。
 今後は、平成24年度入学者選抜のⅠ期選抜が開始となります。1月19日~24日まで、出願書類の受付となっております。例年どおり、多くの中学生が出願されますよう心より期待しております。


平成23年12月26日 福島県立いわき総合高等学校
校長 目黒 憲

被災に負けない校内文化発表会や各種活動 平成23年11月1日

被災に負けない校内文化発表会や各種活動

 本校ホームページにアクセスいただきましてありがとうございます。はじめに、過日開催されました校内文化発表会の報告をいたします。
 本校は3月の本震に加え、4月11日・12日の余震による校舎の被災が著しく、通常の教育活動の実施が課題となる中、今年度の前期のスクールイベントは、変更を余儀なくされました。6月30日・7月1日の球技大会は、延期。8月1日の恒例のナイトハイクは、8月2日の募金ボランティアに変更。10月7日(金)の遠足は、校内球技大会(1日開催)に変更となりました。特に今年は、3年に一度の文化祭の開催の年度でしたが、10月23日(日)の公開文化祭は中止となり、21日(金)の校内文化発表会のみとなりました。
 本校の校内文化発表会は、生徒が自ら課題・テーマを設定し、計画を立てて実行する力の育成を図ることを目的としている学校行事です。まさに総合学科の理念の具現化であります。生徒会役員は、校内文化発表会の開催に向け、企画の練り直しを行い準備に取り組みました。発表予定の文化部・団体は、練習場所や練習時間を制限され、節目の県高等学校文化連盟主催の各種大会の開催も危ぶまれた中、練習・稽古に励んできました。そして、内郷高校時代からの伝統を引き継ぐ部活動、いわき総合高校の特色を色濃くする部活動や系列代表(総合学校の特色の一つ)など、そして一般生徒の有志の計10団体のステージ発表と7つの部・団体の展示発表となりました。発表時の様子は、HPに掲載中ですのでご覧ください。 
 そのような中で特筆できることは、各部・団体は、東日本大震災に向き合い学校の内外を問わず、自分たちができることをやろうと決意し、実践したことです。
 演劇部は、7月9日・10日に開催したのいわき地区高等学校演技部発表会で「ファイナルファンタジー2011」という演目を掲げ、原発事故で中止寸前になった文化祭を復活させるための冒険ファンタジーを上演し、震災・原発災害に対する怒りや傷みへの祈り、どうにもならない今をどうにもならないままぶつけることで作品を創作しました。これが大きな反響を呼び、10月8日・9日に神戸公演、12月21日~23日に東京公演が実現しました。
 また、家庭クラブでは、「Eternal love ~復旧から復興にむかって~」をテーマに、いわき市の現状を把握し、避難所での健康体操の普及とフラダンス(フラガール甲子園優秀賞受賞)による激励を行い、仮設住宅が設置されると防災座布団を制作し届け、ストレス解消ジンジャーティを配付するなど、普及活動を前後期に分け、それぞれの時期に必要とされる支援活動に当たりました。この活動が話題となり、12月10日・11日に徳島県で開催される「絆プロジェクト」に参加し、フラダンスを披露することになりました。
  合唱部は、高校文化部による避難所慰問活動の一環として、「避難所に元気を届ける」ことをねらいに、7月16日にいわき市平体育館を訪れ、「故郷」「春の小川」など七曲を美しい歌声を届けることができました。
 吹奏楽部も8月23日に特別養護老人ホームひまわり荘を訪問し、誕生日をお祝いし、「ふるさと」「真っ赤な太陽」「上を向いて歩こう」「東京ブギブギ」など6曲を披露しました。馴染みの曲が多かったためか、みなさんが口ずさんだり手拍子をとったり、沢山の笑顔がこぼれていた楽しい時間を過ごすことができました。
 このように、避難所や福祉施設等を訪問し、多くの方々を激励することができました。文化的活動が自らの感性を高め創造的な表現力を伸ばすだけでなく、被災者や地域の方々、そして被災の心配をいただいている全国の人々に感動や勇気を与えることができたことを確信しました。東日本大震災よる様々な機会を通して、本校の生徒が、さらに大きく成長していくことを期待し、改めてまして、御支援と御協力をいただいております関係者の皆様に心から感謝申しあげます。


平成23年11月1日     いわき総合高等学校長
校長  目黒 憲

東日本大震災を乗り越えて、前期無事終了 平成23年9月30日

東日本大震災を乗り越えて、前期無事終了

  本校ホームページにアクセスいただきましてありがとうございます。
 前期終業式にあたり、前期の総括をいたしました。本校は、東日本大震災により北校舎が被災し、学習環境が大きく変化しました。4月22日の始業式、25日の入学式の後には、管理棟の南校舎特別教室に一時避難して授業を行い、1年次生が27日にいわき市立高坂小と内町小へ移動、2年次生は、5月6日に第二体育館を間仕切りした仮設教室へ、3年次生は、5月13日に第一体育館を間仕切りした仮設教室に移動しました。その後、5月17日に1年次2・4・5・6組も第一体育館仮設教室へ戻り、前期授業がスタートしました。仮設教室は、隣の教室の授業の声が響き、温度・湿度が上がるなど劣悪な学習環境でしたが、そのような中、生徒はよく頑張りました。現在は、8月25日に完成した校庭の仮設プレハブ校舎(エアコン付)で全学年揃って授業を行っています。
 今後の北校舎使用の見込みですが、現在地質調査を行っており、調査で問題がなければ設計を行い、24年度に修繕・耐震工事を行う予定となっています。来年度以降の見通しが立ったことで、大変安心しているところです。
 さて、このような学習環境の変化が生徒にどのような影響を与えたか、教職員で話し合いました。まず、体調不良を訴える生徒が増え、保健室の利用状況が増えました。特に、8月25日~9月26日の1ヶ月間では、昨年の同時期の1.8倍のべ506人が保健室を利用しています。原因はエアコン使用による風邪の蔓延や生活習慣の乱れなどが考えられます。冬期間の暖房利用時や次年度に向け課題となりました。
  2つ目の影響は教育活動に関わることですが、施設・設備が使えなくなり、実験・実習が計画通りに実施できなかったこと。1ヶ月遅れの授業開始により、授業の進度がやや遅れていること。定期考査が1回しかできなかったこと。ALTとの授業が実施できていないことなどがあります。しかし、8月25日から、先生方の様々な工夫と生徒諸君の協力のもと通常の教育活動に近づいてきました。上記の課題は、前期中間評価として教職員で検討したものです。その他にも多くの課題が提示されました。明らかに震災による影響のもの、総合学科としての課題、あるいは通常の教育活動での指導が不徹底な点など散見されました。改善点に対してその具体的な手立てを講じながら後期を迎えることとして、全職員で確認したところです。
 このような影響がある中、成果もあがっています。前期の表彰式では、家庭クラブや部活動等53の個人・団体の賞状等を伝達しました。生徒の活躍が目覚ましかったこと大変うれしく思います。特にその活躍は、新聞報道等でも取り上げられ、5月~9月までにのべ16社、のべ12部・団体が地域の方々や県民の皆さんにいわき総合高校生の「姿と力」を示してくれました。また、報道はされませんでしたが、この他にも日頃から熱心に活動に励んでいる生徒が本校にはたくさんいます。これからの活躍に期待しています。
 最後に、後期に向け生徒・学校は「何をすべきか。」という点です。
1年次生は、必履修科目を中心に普通科科目充実期です。将来の目標を見据えて、知識を蓄積する時期です。2年次生は、総合選択科目の基礎科目による専門性への基礎づくりの時期です。3年次生は、総合選択科目の発展科目による専門性の追求と就職・進学を意識した実践的学習の時期です。生徒は、自分の夢・目標を再度確認し決意を固め、具体的な行動に移すこと。学校は、生徒各人の夢や目標実現のため、厳しく鍛え温かく導きつつ総合学科としての使命を果たしていくことを目標にして、教育活動に励む所存であります。


平成23年9月30日  福島県立いわき総合高等学校
校長 目黒 憲

東日本大震災を乗り越えて、H23再びスタート 平成23年8月25日

           

 東日本大震災を乗り越えて、H23再びスタート
  

  本校ホームページにアクセスいただきましてありがとうございます。
  3月11日の東日本大震災・津波と4月11日の余震により、多くの尊い人命や家屋等の財産が失われ、現在も避難を余儀なくされている状況があることに心を痛めております。改めまして亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げ、被災された方に心からお見舞い申上げます。
  本校も北校舎(18教室、介護実習室、被服室、調理実習室)が被災し、使用不能になりました。体育館を仕切った教室やいわき市立内町小学校(一時高坂小学校も借用)を間借りしながら、4月22日に授業を開始し、7月20日まで通常どおりの教育活動ができました。改めまして関係者各位に感謝申し上げます。
 8月24日には校庭に南北2棟の仮設教室(24教室)が完成し、8月25日、生徒・職員により机・椅子等を搬入し、新しい学校生活が始まりました。
 併せて、震災により4月の定期人事異動が8月となり、8名の教員を迎え、夏休み明けの8月25日に平成23年度が再スタートしました。特に1年次では3名の担任が替わりましたが、全クラス揃っての学校生活をすることができるようになり、まさに再スタートであります。

  本校は、平成14年に総合学科を設置し、平成16年に「内郷高等学校」から「いわき総合高等学校」に校名変更したいわき地区唯一の総合学科の高校です。
  1年次では、6つの系列「自然科学系列」「人文国際系列」「情報系列」「芸術・表現系列」「スポーツ健康系列」「生活福祉系列」を選択するための、基礎的な科目(必履修科目が中心)を学習します。2年次・3年次では、6つの系列の100を超える選択科目の中から、一人ひとりの進路に応じた科目を選び自分だけの時間割を作ります。
  さらに、平成19年度から、東日本国際大学・いわき短期大学の協力を得て、「異文化理解」「保育原理Ⅰ」「社会福祉入門」の科目を設置し、高大連携授業として実施しています。
 また、生徒会活動・部活動・学校行事など自らの可能性を追求する特別活動にも力を入れており、運動部12部、文化部9部、同好会4部が活発な活動をしています。○第59回全国高等学校家庭クラブ研究発表大会 ホームプロジェクトの部 文部科学大臣賞他3賞受賞 3年次4組 高田祐希、○全国高等学校体育大会陸上競技大会 1500m第4位 3年次4組 吉田将平、○全国パソコン技能競技大会出場 3年次2組 前川岬・松崎令樹、○福島県吹奏楽コンクール 小編成の部 金賞 吹奏楽部 など、各部・団体が活躍しています。
  なお、本校の学校経営・運営の目標等は、別頁の「運営ビジョン」に掲載してあります。今回の東日本大震災では、『生徒の安全と学習をいかに保障するか』を痛感したところです。今後も従来どおり、総合学科の特色を生かした教育活動を推進してまいります。
  保護者・学校関係者・地域の方々には、今後とも本校発展のため御支援・御協力をお願い申し上げます。


平成23年8月25日  福島県立いわき総合高等学校
校長 目黒 憲