校長室より

16期生のみなさんへ

 本校正門を入って左側にある第一体育館の前に、ソメイヨシノが一木あります。16期生の入学を祝福するかのように、薄桃色の花びらを広げて、今、咲き誇っています。
 人口に膾炙しているところですが、現在、桜の代表として扱われているソメイヨシノは、江戸末期から明治初期にかけて、江戸の染井村(現、東京都豊島区駒込)に集落を作っていた造園師や植木職人達によって交配・育成された桜木と言われています。遺伝子解析によれば、ソメイヨシノはエドヒガン系統の桜と日本固有種のオオシマザクラを最初の父母とするクローンだそうです。異なる桜の交配によって、春の訪れを象徴する花となりました。今では、アメリカのワシントンでの花見の様子がテレビ等で報道されているように、多くの人たちに愛でられるようになってきています。
 さて、牽強付会的ですが、学校もソメイヨシノが創られる過程のような場ともいえそうです。本校には、多くの中学校(今年度は、県内外32校)から生徒たちが集まってきています。生徒たちは、クラス・部活動・委員会活動・学校行事等で、多くの人と出会います。その出会いを大切にしてほしいと思います。言葉を交わした時、一緒に作業をした時などに、さまざまな刺激を君たちは受けるはずです。時として、マイナスの感情を持ってしまうことがあるかも知れません。その際にどう対処するか、その人にどう向き合うかがとっても大事です。これらのことを通して、社会における「自分」が形成されていきます。なるべく多くの人と交流を持つことが、自分の内面に変化をもたらし成長を促す契機となるものと考えています。
 ぜひ、今日から、上級生、同級生、先生たちと多く言葉を交わしてさまざまな活動に取り組んでください。卒業の日まで、桜花のように一輪一輪が見事に咲き誇り、幹が大地にしっかりと根ざす一木となることを期待しています。